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2012年4月16日

離我っぷりのいい男、略してリガプリオ

(写真上:長野マラソンゴール直後、フラフラながら、カメラを向けた瞬間に力を振り絞ってポーズをとってくださったやぶちゃんと、苦しいレース展開の中、ひたすら絶対尊敬を贈りながら伴走をされた、小布施町役場の高野伸一さん。写真下:小布施町営グラウンドで、リトルリーグの練習試合に臨む、やぶちゃんの勇姿。撮影:奥田さん)

 

4月15日早朝、長野マラソンのスタート地点まで、やぶちゃん(薮原秀樹さん)をお送りし、昼過ぎ、ゴール地点にて、やぶちゃんをお迎えし、その足で、小布施町営グラウンドへ、リトルリーグ応援に。

ゴール直後、車中でのやぶちゃんと、グラウンドでのやぶちゃんを間近に拝見し、あらためて痛感したこと、それは……

「なんという離我っぷり!!!」

やぶちゃんの「わもん魂」は、喜ばせたい相手、支えたい相手がいてこそ、スパークするのです。

「脚がつらい」「歩きたい」
「心が折れそう」「棄権するかも」

マラソン中のやぶちゃんの胸中には、ネガ・ワードが渦巻いていたようです。そのプロセスを語るやぶちゃんは、なかば放心状態、視線は水平の遥か下……。

さらに……試合開始の午後1時には余裕のグラウンド入りを果たすはずが、ゴール地点を出発したのが2時近くとなり、「応援が間に合わないかもしれない」との懸念も頭をもたげ……テンション下げ下げのやぶちゃん……。

……ところが!
 

今まさに試合まっただ中とわかった途端!

 

どや顔のやぶちゃん、堂々のグラウンド入り!

「ピッチャー、打たせていいよ!」
「センター、ナイスキャッチ!」
「応援、いいね! 声出していこう!」
「切り替え、切り替え!」

背筋、シャキッ!
目ヂカラ、ぐいっ!!
声ツヤ、マックス!!!

そこに立つのは、さっきとは別人。
しょんぼりやぶちゃんはどこへ?

そう、やぶちゃんのわもんパワーは、「我」に向かった途端に影を潜めてしまうのです。「我」を離れて意識を注ぐ相手がいてこそ、フル回転で限界超えできるのです。

これぞ離我!

これからやぶちゃんを、離我っぷりのいい男、リガプリオと呼ばせていただきます。

 

やぶちゃん、ほんとうに、おつかれさまでした!

 

 

 

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2012年4月17日

自分事化→本気度アップ/オブ中バレー部メンタルコーチ

(写真:4月15日、小布施5daysを終えて新幹線へ乗り込む直前、改札付近でポーズを決めてくださった、やぶちゃんこと薮原秀樹さん。長野マラソン完走後の疲れや脚の痛みをみじんも感じさせないパワフルショット。)


上記写真からさかのぼること4日、4月11日に、オブ中(小布施中学校)男子バレー部のメンタルコーチミーティングを見学させていただきました。


いつものことながら、このミーティングは気づきと感動の連続です。見学チームの大人たちが思わず涙する場面すらあります。


冒頭、集まったメンバーの表情をぐるりと見渡して、「みんな、たくましくなったね。声を聞かなくても感じます」とメンタルコーチやぶちゃん。


「あと5カ月で引退」


3年生のこの言葉を皮切りに、メンバー一人ひとりが、今の思いを発表していきました。


「一昨年も去年も全中(全国大会)へ出場したけれど、このままで大会に間に合うのか、ちょっと心配。」

 

発言を受けて、やぶちゃんは「それ、本音やな。心配してるね。ところが、いままでのように『不安』ではなくて、『心配』って言ってるんだよね。この違いは何?」と鋭くコメント。

 

すると3年生が「不安とか言ってる場合じゃない。もう引退だから。」


つづく2年生から「今年、全中に行けなかったら、来年、自分たちの代でも行けない。(自分はまだ2年生だけれど)自分にとっても引退と同じような感じ。今年を大事にしたい。先輩たちのサポートではなく、『一緒に全中に行きたい』という思いがある。」


この言葉を引き取って、やぶちゃんがおっしゃったのは……


「自分事化」


「本来なら2年生は『先輩、がんばってください』でいいのに、他人事にしていないね。意識を3年生側にもっていって、自分事化してくれたね」とやぶちゃん。


「先輩たちをサポートします」で終わらせることなく、「自分たちの引退」を視野に入れたことによって、2年生の当事者意識がぐっと高まり、これからの数カ月がとても切実なものになり、本気度がアップしている、ということです。「これはすごくいいことです!」


みんなの今の思いを聞いた後、井戸端わもん、そして「やぶちゃんと一問一答」という直感企画がありました。


メンバーの一人から、「自分のポジションではできないプレーを、ときどきやりたくなってしまう。そんなとき、どうしたらいいですか」との質問。


やぶちゃんはきっぱり「答えは自分の中にあるから、やぶちゃんは答えを言いません。自分で気づいてもらうしかないんです」。


他のメンバーからコメントが返ってきました。「気持ちはよくわかる」と共感する人。「でも、そのポジションを守れるのは一人しかいないから」と励ます人。


そして最後に監督の多田先生がズバリ、「そう思うのは当然です。でも君のポジションは決まっています。その思いをもちながら、自分のプレーをするしかありません」。そして「自分がそのプレーをしないからこそ、遠慮なく文句も言えるんです。もっと文句を言っていいよ。強いチームになればなるほど、そうだから」。


仲間たちと監督の言葉を受けて、何ひとつ状況は変わっていないにもかかわらず、質問したメンバーは「スッキリした。これからは遠慮なく(思ったことを)言います」と笑顔です。


自分の気持ちを聞いてもらい、心が軽くなったこともあってか、このメンバーから「そろそろ不安がピークになりそうなメンバーがいる」とご指名が。

 

呼ばれたメンバーが、「自分が一番経験が浅い。自分が失敗して、みんなに迷惑をかけることが不安」と、なかなか言えなかった思いを話してくれました。


このメンバーへ、全員から一言ずつ、コメントがありました。


「1年前は自分も同じ気持ちだった。その思いを受けとめて、チーム(の闘志やムード)を上げていきたい」


「最近、元気がなくなっていたのを、見てくれていたメンバーがいてよかった」


「不安をみんなで共有して戦えるのは、オブ中しかいない。試合の大事な場面で、メンタルの差が出る」


最後にやぶちゃんから「不安なときには『不安』と、苦手なものは『苦手』と言えることで、すごく楽になれます。メンタルはやぶちゃんの担当だから、大丈夫。必ず強くなれます」。


思いを素直に出せる場があること、聞いてくれる仲間がいること、互いの思いを共有できること。


みんなが「わもん」の気持ちになれたとき、思いはつながって、一人ひとりの、そして結果的にチーム自体の、力が高まります。

 

シェア+自分事化→本気度アップ。大人もまったく同じだと思います。


毎度毎度のことですが……今回も、ただただエネルギーをいただいてのおいとまとなりました。


ありがとうございます。




 

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2012年4月18日

めざすは「みんなの納得」/小布施町役場ファシ勉

(写真:4月16日信濃毎日新聞朝刊、長野マラソン完走者一覧ページに! なんと! やぶちゃんと高野コーチのゴールシーンが! 背後の電光掲示板が示すタイムも、寸分違わぬやぶちゃん&高野さんのゴールタイム! すごいミラクルです!)

 

さて、またも写真から日付は戻りまして4月11日、オブ中バレー部につづいては、恒例の役場ファシリテーション勉強会、略してファシ勉です。

 

今回は、やぶちゃんこと薮原秀樹さんが「わもんの天然モノ」と賞賛される、風味堂の大窪経之さんもご参加なさり、やぶちゃんの「わもん」を大窪さんが解説されるという贅沢な勉強会となりました。

 

お二人のコラボレーションで、ポイントをクリアに浮き彫りにしていただきましたので、かいつまんで振り返ってみます。

 

まず、ファシリテーションの最大の目的は……

 

「全員が納得して帰る」こと。

 

そのために……

 

1 悩まない

疑問や反論が出ても、ファシリテーター自身が抱え込んで、考えて、悩む必要はない。納得しない人にはどんどん発言してもらう。みんなの発言によって、全員の納得につなげていく。

 

2 軽快なパス回し

ファシリテーターはボール(発言権)を長時間キープしない。ショートパスをこまめに回し、全員に「自分事」「油断大敵」の意識をもってもらう。そのために、常に全員を見るともなく見ている。

 

3 1:1×人数

ファシリテーターの意識は「自分:出席者=1:全員」ではなく、「自分:出席者=1:1×人数」。一人ひとりとのコミュニケーションを基本としながら、全体へフィードバックしていく。

 

4 参加者シフト

ファシリテーターが「この人の話を聞きたい」と思った人ではなく、「今、『話したい』と思っている人」に発言してもらう。

 

5 困ったときのキーマン頼み

キーマンを見つけておく。助けてくれる人が、その場に必ずいる。困ったときは、自分で抱え込まず、キーマンにパス。

 

6 アウェイ感を払拭

遅れてきた人をアシストする。これまでの会議の流れと現状について、ポイントを伝えて、情報をシェア。誰一人、アウェイ感、ビハインド感をもたないように、みんなが気分よくいられるように。

 

7 整心ポイントに焦点

「この人たちが整うと、この場全体が整う」という人を見分ける(たとえば、連続展開している会に初参加の人など)。思いをできるだけ吐き出し、気持ちをすっきりさせ、「聞く」状態になってもらうよう、心を配る。

 

8 情報収集

一人ひとりから常に情報収集する。発言を受けて、その背後にある思いを察する。仮説を立てながら聞き、「人物像」の空欄をどんどん埋めていく感じ。

 

9 とにかく「わもん」

話の聞き方は、「声の変化を聞く」「話が長くなりそうな人には、息継ぎの瞬間などをとらえて一旦パスを引き取る」「他の人の発言に対するうなずき方を見て、次に発言してもらう人を絞り込む」「納得しない人に対しては『教化より感化』。すでに納得している人の体験談、今の実感などによってサポートしてもらう」などなど、どこまでも「わもん」です。

 

……というように、やぶちゃんと大窪さんの「舞台裏解説」を拝聴して「ほほー」「ははー」「へええー」と感心しつづけているうちに、たちまち1.5時間が過ぎました。「わもんの天然」お二人の場づくり、いつもながらお見事です。

 

やぶちゃんのご著書『わもん 聞けば叶う』、

くわしくはこちらです。

http://www.e-denen.net/wamon.php

 

 

 

 

 

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2012年4月19日

知恵の輪、外れぬハズがない/小布施交流ブックラブ

 

(写真:4月16日信濃毎日新聞朝刊の長野マラソン完走者記録ページ。やぶちゃん&高野さん、堂々のゴールシーン。)


 

本文は、写真から5日前の4月11日。ファシ勉のあとは、千年樹の里で開催の交流ブックラブです。

やぶちゃんこと薮原秀樹さんのご著書『わもん 聞けば叶う』から、毎回1項目をみんなで輪読し、一人ひとり、気づきや思いを発表しシェアします。

 
 
今回のお題は「『わかろう』よりも『感じよう』」。

以下、みなさんの気づきをご紹介させていただきます。

「聞こうという覚悟をもって聞くことが大事。そうでないとパラボラアンテナのように相手の思いをキャッチすることができない」

「言葉も大切だけれど、雰囲気を感じ取ることが大切」

「自分が『聞けている』と思うときは、音を聞いている。楽しい話をしていても、沈んだ音で話しているときは本心と違う」

「肌から吸収するかのように、ストンと腑に落ちる瞬間がある。『これが察することか!』と思う。すると『もっともっと聞きたい』と思う」

「トンボのたとえ話がいい。トンボが動きたいように動かせてあげること、それを絶対尊敬で見つめつづけること」

「観察の重要性を痛感。相手に話してほしかったら、相手が関心をもっている話題を提供することも大切」

やぶちゃんからは、

「観察に徹すると、自分の気配が消えるんです。相手が動物でも人間でも同じです。観察と周波数同調によって、聞く力は高まります」


■■
 
さて後半は、最近、全国各地の「わもん」勉強会でやぶちゃんがスターマインのように打ち上げまくっていらっしゃる「二人羽織わもん」へ。話し手と聞き手の会話を、羽織役の一人が聞き手の背後で聞きながら、「場の最終責任者」となって、聞き手をサポートします。参加者の中から、お一人が聞き手、お一人が話し手、そしてやぶちゃんが羽織役になりました。

体験を終えて、「子どもの話が聞けない」という聞き手さんの感想は、
 
「『ここは待って』と何度も言われた。自分でつっこみたくなった場面がたくさんあった。待つことの大切さを教わった」

やぶちゃんからは、
 
「聞き手が自分自身の周波数を強く送ると、話し手はいらだちを感じてしまいます。自分がイライラして、待ちきれずにつっこんでいってしまうと、相手は話せなくなるんです」
 
「ジャッジしないこと、受容すること。それから、音程、音階、音調、音種を話し手に合わせることが大切。自分の思いから離れるためにも、音に、徹底的に集中します」

 
■■■
 
最後に全員から、二人羽織わもんを含む今回の感想……

「トンボを何としても獲りたい! という思い、ワクワク感も大切」

「相手の話を聞くよりも、自分が質問したくなってしまうことを再認識」

「音階を合わせることがまったくできていなかった。話していると自分と相手を重ねてしまうクセも」

「仕事先では聞けても、家族の話が聞けない」

「自分が『VS態勢』をとってしまうのは、生育歴の中で比べられたことが原因と気づいた。乗り越えられる!と思った」

「今日のテーマは『わかろう』よりも『感じよう』。勉強はしばらく休んで、『感じる』ことに集中したい」

「声楽と落語を勉強したい。落語は音の強弱で笑いを起こす芸」

やぶちゃんからは、「知恵の輪と、課題・問題の共通点」のお話。

「知恵の輪は必ず外れます。でも『できない』『外れない』と思っていたら外れません」

「問題や課題も同じ。目の前に現れたとき、『解決できないはずがない!』と信じきること。これこそが解決のカギです」

「『難しい』『私にはムリ』と言っていた方が楽です。努力しなくて済むからです。一方、『できる!』と信じる人は、あれこれチャレンジします。苦しみもありますが、いつかきっとクリアできます」

「課題は、解決できるものです。解決できない課題は自分の前には現れません。ただ外し方を見つけるだけです」

そして締めの言葉は……

「命には限りがあります。一日一日、一生懸命生きたいと思います」


「わもん」では、「相手の命の象徴=心臓」を、自分の手のひらの上に預かっている気持ちで、相手の話を聞きます。それくらいの真剣さで、それくらいに全力で、それくらい一期一会の心で。容易なことではありませんが、そういう聞き方をめざします。
 
 
 
 

 
 

 

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2012年4月20日

めざせ御札人間/小布施町役場ブックラブ

(写真:4月13日、小布施町役場の一室にて、役場ブックラブの1コマ。撮影=奥田さん。)

 

4月には、千年樹の里での交流ブックラブと併せて、小布施町役場でのブックラブにも参加させていただきました。やぶちゃんの熱意と、役場のみなさんの意欲によって、実現している勉強会です。

 

 

 

今回のお題は「自分の『ものさし』をはずす」。

以下、輪読後のみなさんの感想です。

 

「相手の言葉をそのまま使うことができない。自分の解釈で言い換えてしまう」

 

「自分と相手のものさしの優劣を比べるクセがある」

 

「子どもと話しているとき、自分のものさしで話すのでなく、『今度やぶちゃんに聞いてみるね』と言うと、子どもも納得する」

 

「生育環境の違いが、ものごとの感じ方、考え方に大きく影響する。理解できる努力をしたい」

 

「話し手の速度やリズムに合わせることがとても大切」

 

「ある事件のニュースを聞いて、被告に嫌悪感を抱いてきた。自分に矢印を向けて、その理由を掘り起こしてみたら、『こういう感情があるから、こういう行動をするんだ』とわかった。人それぞれに、背後に経験や環境がある。この気づきが、絶対尊敬への入口になるかも」

 

「『ものさし』を心得ていれば、人生、怖いものはない」

 

「人の言うことで自分がすごく揺れる。『相手はこう思っているんだ』と受けとめられたら……」

 

「勝手なイメージで人を見てしまう。自分のものさしを磨きながら、相手のものさしもわかってあげたい」

 

 

■■

 

みなさんの近況報告の中から、3つのトピックをご紹介します。

 

1)

やぶちゃんがメンタルコーチをされているリトルリーグ。日本一をめざしながら、県内のある強豪チームにどうしても勝てない小布施チーム。

 

コーチ陣は「絶対勝てる!」と口では言いながら、じつは「自分たちもあのチームに勝てなかった」というトラウマが元で、リードしている試合でさえ「逆転されるかも」という不安から脱しきれず、実際に負けてしまっていたそうです。

 

また試合前にコーチ陣から「あのチームは強い」と聞いて、親御さんたちが「勝てないかも」と思ってしまうと、いくら「がんばれ」「勝てる」と言っても、大人たちの不安が子どもたちに伝播し、それが試合結果に表れてしまうとのこと。

 

「集合無意識ですね。不安をもっていると、現実がその方面へ流されていくんです」とやぶちゃん。子どもたちの試合は、指導陣や親御さんにとっての試合でもあるのですね。またメンタルがフィジカルをいかに強固に支配しているかを思い知らされたお話でした。

 

2)

「子どもが話をしない。自己表現をしない」と悩んでいらした方が、当のお子さんとやぶちゃんと3人で会われました。そこでわかったことは、お子さんは自分に対して言葉がスコールのように降り注いでくるため、耳にシャッターを降ろして、聞かない、聞けない状態をつくっていたらしいこと、ご本人がそれに気づいていないことでした。

 

まったく予想もしなかった展開の前で、それまで「子どもの性格をなんとかしてあげたい」とおっしゃっていた方が、「自分がうるさく話していることが、子どもをそうさせてしまったのか?」と矢印をご自身に向けられました。

 

やぶちゃんからの提案で、お二人はそれぞれご家庭で、外で、聞く練習をしよう、ということに。

 

3)

上記リトルリーグの話を聞いて、「自分も野球をやっていたので、気持ちはよくわかる」と話された方。チームのメンバーから信頼されていなかった辛さ、その中でも監督が最後まで自分を信じてくれていたことが、いかに自分のメンタルを支えてくれたかを、話してくださいました。

 

この方とはまだ2度目の対面だったやぶちゃん。「こうして話を聞きながら、私は徹底的に話し手の心理メカニズムを取り込んでいきます。会うたびに、その方のデータを上書き保存して、どんどん蓄積していきます。今日、お話を聞きながら、ペンを回すクセ、腕時計を見るクセなど、全部インプットしています。今日はそれを話題にしませんが、いつか必ずそのことを聞きます」。

 

話し手のしぐさやエピソードから、どんどん仮説を立てていく。仮説を元に、話をさらに聞いて、上書き保存。その積み重ねによって、心理メカニズムを自分の意識内に取り込んでいく。という聞き方です。

 

 

■■■

 

しめくくりに、やぶちゃんから「御札(おふだ)人間」のお話をうかがいました。

 

鍵山秀三郎先生がおっしゃるには、「商売でいちばんいいのは、御札商売です」とのこと。すなわち、(1)遠くから来てくれる、(2)感謝される、(3)値切られない、という商売です。

 

それを受けて、やぶちゃんは「そうか! 『御札人間』になればいいんだ! 遠くから人が会いに来てくれて、感謝される、値切られない人になればいいんだ!」と思ったそうです。

 

それは「周りが動かないのは、自分がまだ未熟だから」という姿勢につながっていきます。「わもん」で言うところの「聞き手未熟」ですね。

 

だから、「人のせいにしなくていい」「自分を高めるだけでいい」「ひたすら自分を磨こう」となっていくのです。

 

「めざせ御札人間」。「わもん」を志すときの指標を、もう一つ、教わりました。

 

 

 

 

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2012年4月24日

聞く本気度が、心的飛距離を延ばす

(写真:満員御礼、ユースホステル「おぶせの風」で開催された白帯心徒塾in小布施のようす。町内、県内をはじめ、遠くは東京や群馬、新潟からもご参加をいただきました。ありがとうございます。)

 

4月14日、やぶちゃんこと薮原秀樹さんの小布施5daysの4日目には、「白帯心徒塾in小布施」が開催されました。

 

白帯心徒塾は、「わもん」をしっかりと学びたい方の集う場であり、「わもん黒帯」をめざす方の入門道場でもある勉強会です。

 

計3時間のうち初めの1時間に、講義とワーク進行を担当させていただきました。その準備と経過をめぐって感じたことを記させていただきます。

 

やぶちゃんとのやりとりの中で強く感じたことは、

 

「わもん」は、聞き手の本気度と熟練度によって、どこまでも意識の飛距離を延ばしうる

 

ということでした。

 

今回、「非言語の言語化」というテーマに対し、「聞き書き」を題材にしたワークを考える中で、やぶちゃんの談話を録音し、それをみんなで聞いて、「やぶちゃんは何を伝えようとしているのか」「いちばん受けとめてほしい思いは何か」を感じ取るワークを発案しました。

 

やぶちゃんにスピーチを依頼し、ご快諾をいただきました。その録音日の午前中、やぶちゃんから電話で、「今、毎月わもんをしてきた女の子と一緒にいるんだけれど、やぶちゃんのわもんを受けてきた感想を聞かせたいから、おいで」とお声掛けをいただきました。

 

出かけていくと、やぶちゃんと、女の子と、女の子のお母さんがいらっしゃり、女の子がやぶちゃんの前でだけ、好きなマンガのことをいかに生き生きと語ってくれるのか、そのようすにふれさせてくださいました。

 

ほんの数分の対面でした。正直なところ、やぶちゃんがなぜその場へ呼んでくださったのか、その時点ではよくわかりませんでした。

 

その理由が「これだったのかな」と思えたのは、その日の夕方、スピーチ録音をさせていただいたときでした。

 

やぶちゃんが選ばれたのは、知り合いの子どもさんの夢を聞いたこと、そこで感じたこと、というエピソードでした。ですから、「子どもの話を聞く」という部分で、私が実感をもってスピーチを聞けるように、ご配慮くださったものと思ったのです。

 

が……話はそれだけでは終わりませんでした。

 

白帯心徒塾当日、録音したスピーチを再生して、ワークを行いました。受講者の中に、お子さんとの対話がうまくいかずに悩んでいる方(Aさん)がいらっしゃいました。

 

そのあと、Aさんが話し手となって「二人羽織わもん」を行うシーンがありました。そこでAさんは、子ども向けの「しゃべり場」に参加してやぶちゃんに話を聞いてもらったお子さんから、「やぶちゃんは聞き上手」「あんなに大人が聞いてくれたことはない」と言われ、ショックを受けたことを話されました。

 

さらにAさんは、ご自身が話し手となったことで、「聞いてくれる人がいると話せる。聞いてもらうと、やわらかい気持ちになれる」「自分は(子どもに対して)聞くモードになっていなかった」と感じられたのです。

 

そこで、はたと気づきました。やぶちゃんは、Aさんが白帯心徒塾を受講されることと、お子さんとのコミュニケ—ションで悩んでいらっしゃることを知っていて、Aさんの気づきのお手伝いの意味も込めて、スピーチにこの話題を選ばれたのか……と。

 

さらにさらに、白帯心徒塾終了後、同じく受講されたBさんから、

 

「子どもの話を聞く」というテーマで語りあいながら、自分と部下との関係に思いをはせ、部下の話を聞けていない自分を再確認した、

 

というお話をうかがったとき、やぶちゃんの「心的飛距離」というものを実感したのでした。

 

日々進化しつづける、やぶちゃんの「わもん」。もはややぶちゃんは、目の前の「話し手」の悩みを聞きながらも、その話し手とつながっている、いわば「第二の話し手」「第三の話し手」を視野(「聞野」?)に入れて、第一の話し手の気づきのお手伝いをすると同時に、第二、第三の話し手に対しても「わもん」をしていらっしゃいます。

 

今回であれば、ワークの準備でご相談したナカジマを起点としながら、親子のコミュニケーションが課題のAさん、上司と部下との関係性が課題のBさん、さらにはAさんのお子さんや、Bさんの部下の方へ、そして私たちと学びの場を共有した方々へ……と、やぶちゃんは、心から心へ思いをつなぎ、「わもん」の飛距離をぐいぐいと延ばしていかれるのです。

 

まずは、目の前の話し手の話を、かぎりなく真剣に聞くこと。その話し手の人生をすべて引き受けるくらいの気構えで、とにかく全力をあげて聞くこと。

 

それをすることによって、「今、ここで、この人の話を聞く」という行為が、「その人とつながる人」にも、「聞く場」を共有した人たちにも届き、気づきが連綿と広がっていくのです。

 

個人的な仮説ではありますが、「聞く」という行為の本気度が高まったとき、聞き手の意識内に、一度に複数の人の思いを聞く態勢ができていくのではないか……と思いました。

 

つまり、「1対1」の「わもん」が深化していったとき、それがそのまま「1対N」の「わもん」になりうる、ということです。基本はあくまでも「1対1」であり、その真剣さが極まった先で、「結果として」、「1対N」になる可能性がある……そんなイメージです。

 

今後実践を重ねながら、この点について、さらに思いめぐらせてみたいと思います。

 

薮原秀樹さん著『わもん 聞けば叶う』

くわしくは……

http://www.e-denen.net/wamon.php

 

 

 

 

 

 

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2012年4月26日

4月29日(日)万葉研究の第一人者 中西進先生の講演会

万葉研究の第一人者 中西進先生の講演会が開かれます。


4月29日(日)16時30分から18時30分

小布施町立図書館まちとしょテラソ
 
わたしがお世話になっている中西人間塾(事務局:出版社のウェッジ社)のメンバー10人も全国から集まります。聴講無料です。中西先生を囲む夕食会のご予約は、木下までどうぞ。
 

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2012年4月29日

歴史は直線ではなく重層/中西人間塾in小布施

奈良県立万葉文化館名誉館長の中西進先生をお迎えしての「中西人間塾in小布施」を聴講させていただきました。

以下、手許のメモから、ご講演の断片を記します。

 

小布施へのご来訪は、今回が初めてとのこと。「小布施の町には“匂い”がある。“地勢”がある」と感じられたそうです。目に見えないけれど、そこに漂っている、気配、雰囲気のようなもの……それを中西先生は、町の歴史の堆積からなる「積み荷」と表現されました。

 

●●

過去・現在・未来という時間の流れと、そこから生まれるものを、直線的にとらえるのではなく、重層的に見ることの大切さを、中西先生は強調されます。過去はすべて、今に受け継がれ、未来へ伝わっていくということです。

 

今・ここ・自分を切り取って見るのではなく、俯瞰して、永い永い時間の中の1点にいる自分を見ること……そこから、今、すべきことを、一人ひとりが心得るための手がかりが得られそうです。

 

●●●

日本の国づくりは5世紀以降、700年ごとに一つの節目を経て、現在、「第3の国づくり」の動乱期にあるそうです。

 

「第1の国づくり」は「芸術の国づくり」。人間の「感性」によって営まれ、「美」を求めた時代。

 

「第2の国づくり」は「学術の国づくり」。「知性」によって営まれ、「真」を求めた時代。

 

そして現在、「第3の国づくり」は、「道徳の国づくり」。「意志」によって営まれ、「理性」すなわち「善」を求める時代です。3段階を経て、日本人は「真・善・美」を獲得しようとしているわけです。

 

●●●●

第3の国づくりは、真善美のトライアングルの完成に向かう、非常に大切な段階と言えそうです。ただしこれは、第1、第2に比べて困難です。これまで、一人ひとりが個人ベースで獲得することができた美、真と異なり、善を獲得する営為は、個々人のものであると同時に集団、全体のものでもあるからです。

 

第3の国づくりには、調和・寛容・平和が必要です。

 

個々人の美や真を集めて、全体として善の文化を築いていく、それが第3の国づくりです。ご講演の最後に、中西先生は「善」を「明日(未来)への貢献」という言葉で説明されました。

 

●●●●●

「全体」とは、「日本」であり、その先で地つづきに「アジア」そして「地球」でもあるのでしょう。そのとき「地球規模で考える」ことは必要であっても、「地球全体を一律にする」のではなく、「多様性を保ったまま、個々が集まって、全体として一つになること」が大切……と教わりました。

 

歴史は直線ではなく重層。「今・ここ・自分」のすべては、地層ならぬ“時層”に堆積され、未来へ伝えられていきます。一日一日、一分一秒も、おろそかにはできませんね。

 

●●●●●●

最後に、真善美のトライアングルを内包した、中西先生からのメッセージを。

 

「深く『情』に根ざした、 『聡明』な『意志者』であれ」

 

(写真:中西人間塾の翌日、小布施を散策、木下家を訪問された、中西進先生と人間塾卒業生のみなさま。)

 

 

 

 

 

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