5月18日(日)、社団法人長野国際親善クラブ(NIFC)の総会が開かれました。記念講演は、外務省NGO特命全権大使の五月女(さおとめ)光弘さん。演題は「世界の中のちょっといい話」。
NIFC会報に掲載するための原稿を執筆しました。ご覧ください。
NIFCサイトは、
http://www.valley.ne.jp/~nifc/about/a03.html文責は木下です。
○協力・外務省○主催・信濃毎日新聞社・NIFC・県国際交流推進協会○後援・県・長野市・県経営者協会
※なお、五月女大使は10月17日(金)にも長野市の松代ロイヤルホテルにて、講演されます。
(リード文)
草の根レベルの途上国援助で、日本の国際貢献の一翼を担うNGO。五月女大使は、NGOと政府の連携強化を目的に新設されたNGO特命全権大使の初代。国際貢献活動について、伺いました。
(中見出し)
日本は世界で最も国際的な支援の恩恵を受けた国
(本文)
昨年秋までアフリカ・ザンビアの大使を務めて帰国しました。なにを食べてもおいしくてリラックスできる、日本の暮らしのありがたさを実感しました。
戦後の困窮時、日本は世界銀行から借款を受けた資金で、長野県の黒部第四ダムや東海道新幹線、東名高速道を建設しました。最大の被援助国でした。有効に効率的に、透明性をもって利用し、経済発展を遂げました。日本は世銀から借款を受けた被援助国としての経験をもつ、唯一の先進国なのです。北米や中南米の民間団体で組織されたNGOからも大きな援助を受け、食べ物や医薬品、衣服、毛布などを贈られました。
(中見出し)
水、食糧の確保のために暮らす人々
南部アフリカは水と食糧の危機にあります。地球の水の大半は海水で、飲み水は0・1%。蛇口をひねれば水が出てくる日本は、世界的もまれな恵まれた国なのです。
世界には、今晩の食事さえ取れない人がたくさんいます。日本人が大食い大会を楽しむのは「食べ物をおもちゃにしている」と映り、信じられない光景です。そのわずかでも分けるだけで、「幸せ」を実感できる人たちが世界の8割を占めるのです。
(中見出し)
それでも日本は援助すべき国
「不況で経済的に疲弊している」と感じている日本。ではなぜ、世界の国々を助けなければいけないのでしょう。三つの理由があります。
一 恩返し 傲慢にならず、「助けさせていただく」のです。どんな国にも栄枯盛衰はあるのですから。
二 国のため 日本は輸入の国です。60%の食べ物、95%のエネルギー。その半分以上を途上国に依存しています。途上国の政治・経済の安定に協力しその国との関係を良好に保つことは、安全保障につながります。情は人のためならず、です。
三 理屈なし フランス語のノーブレス・オブリッジの理念。困っている人や国を助けるのは高貴な人、豊かな人の義務です。川でおぼれている人を助けるときに、理由はいりません。国連加盟191か国のなかで第2番目に豊かな日本は、どんなに困っていても支援を続けるべきです。
日本人は古くから思いやりがあり、受けた恩義を忘れない国民です。
50年前の本当につらかった日本の時代が、いまのアジアにもアフリカにもあります。豊かで幸せな暮らしの一部をおすそわけして助けあい、品格のある国家の国民として、歩んでまいりましょう。
(写真)
「感謝のこころで、品格のある国に」とやさしく語りかける五月女大使