Monochrome-Monologue

2008年5月
 2008年5月21日(水)  おやっかぜをご存知ですか?
庭の草むしりなどの養生や、畑の草刈(乗用草刈機やビーバーという機械で)、田のあぜの草刈など、野良着で屋外にいる時間が増えてきました。野良着姿の私は(それ以外のときも・・・か)、ただのむらのオヤジさんです。私を知る多くの人は、「野良着のあなたが、一番似合っている」とほめてくださいます。
初夏から秋にかけて、お昼の少し前、11時を過ぎたころに、北からそよそよと吹く涼しい風のことを、おやっかぜと呼びます。「親風」と書きます。私の暮らす小布施町飯田と北隣の山王島という集落では、昔からこの言葉があったそうですが、みなさんの土地ではいかがですか?
使われ方はこんな感じです。親風が吹いてくると「ほーら、おやっかぜ吹いてきたぞー。腰伸ばして休んでくれー。みんなお昼までもうすこしだから、がんばれやー。」
辞書でこの言葉を引くと「親風を吹かせる」という使い方で「親が子に親の権威を振り回して強いること」というように解説されています。ですから、共通語としての「親風」と、私どもが使う「おやっかぜ」とは、正反対ともいえる意味なのです。方言、なのでしょうか?
私どもの「親風」の意味合いは、「慈しみの涼風」です。
夏の盛り、農園で汗する人をいたわる親のような、慈しみ深い風です。親風という言の葉を育んできた小布施に暮らしていることに、ささやかな幸せと感じられる今の自分を、しあわせ者だなと思っております。おやっかぜのような言葉を、いつも言える人になりたいものです。
きょうもよき一日を、お健やかにおすごしください、みなさん。
 2008年5月25日(日)  掃除に学ぶ会 回を重ねて
小布施掃除に学ぶ会は毎月第2日曜日朝6時から、小布施駅や北斎館駐車場の公衆トイレをお借りして、掃除に学ぶ感謝の会をさせていただいております。今月からは毎奇数月の第4日曜日朝6時から、街頭清掃を始めることになりました。
今日5月25日はその初日。昨夕から続く雨が、強い降りのままでしたので、朝5時半の時点で屋外の清掃はやめて、北斎ホールのトイレ掃除に切り替えました。急きょ、道具倉庫へ行ってトイレ掃除用の道具をそろえて北斎ホールへ。
飯嶋敏枝さん、永井惠子さん、林かおるさん、大井川茂さんと私の5人の参加でした。みなさん、おつかれさまでした!
北斎ホールのトイレは数ヶ月前に掃除をしました。毎日の掃除も一応していただいているようですが、やはり黄色い系の汚れを中心に汚れはあり、匂いがありました。ここのトイレ掃除はこれで4回目。便器にこびりついていた尿石のかたまりや、うす黒い水垢はすでに落としてありますので、手際よく進めることができました。深呼吸できるトイレ、何回やっても、気持ちいいものですね。
おとなりの中野市のご自宅から早朝にやってきた大井川さんは、私ども文屋の撮影を担ってくれているカメラマンさんです。あす26日は、川越市の川越胃腸病院さんへ撮影に参るため、朝6時集合にて彼の車で出発します。一緒に仕事をしてくれている人が、「お掃除」という、人として一番基本の部分で、志を同じくしてくれていることに、有難いものを感じます。いい仕事、いい人生、していきましょうね、大井川さん!
小布施掃除に学ぶ会のお掃除はこれで30回目に。回を重ねることの大切さを、近ごろ感じております。次回は6月8日(日)朝6時から、小布施町役場と駅公衆トイレにて行います。どなた様も、歓迎でございます。
 2008年5月30日(金)  原伸介さんとの対話
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昨日29日11時過ぎ、車を飛ばして松本市の山中へ。昨年夏に発刊した本『笑顔は無限力』の著者・原伸介さんの炭焼き窯を訪ねました。原さんとは昨年末にお会いして以来、半年ぶりの再会です。12月から6月の炭焼きシーズンは、厳しい山仕事と炭焼きのために、体が引き締まるのが常の原さん、やはりスリムになっておりました。しかし、いかつい精悍さや居丈高な雰囲気はない。というより、今までにはなかったやわらかな空気感を漂わせていました。
それはなぜなのか? 私の言葉ではっきりと表現することはできません。ただ、この書物の発刊をピークとして、その後の原さんは明らかに変わりました。前向き、笑顔、しあわせ、積極的、チャンスはつかめ!・・・そう語っていた原さんは、今の原さんの中にも確かに居ます。しかし、そうではない原さん、後ろ向き、しかめっつら、不幸せ、消極的・・・そんな生き方やそんなときがあってもいいんだよ、という気分。自然や運命の大きな力に身をゆだねて、大海原に仰向けになって身を預けて浮かび、陽光を全身で浴びているような雰囲気を、全面肯定する姿が、加わった。・・・まー私の筆力では、この程度の言い方しかできません。
そんな原さんとの対話でした。窯をお訪ねして、愛犬の猟犬2匹に出迎えられ、しばしの語らい。きれいに掃き清められた窯の周辺には、高さ10メートルを超えるナラやクヌギなど、炭に使うにちょうどいい雑木が、若葉を茂らせていました。それから近くのお蕎麦屋さん「月のそば」へ。編集の打ち合わせや今後の構想を語り合いました。
昼食から窯へ戻ると、原さんは、窯の横にしつらえた畳2枚ほどの小屋に座り、抹茶をたててくださいました。炭の火に鉄瓶で沸かしたお湯と、原さんのお手前(90歳代の女性がお師匠さん)、まろやかな味と香りのお茶を2杯、いただきました。ゆったりと、風と小鳥の声しかしない中での、至福の時間となりました。
『笑顔』の初版をまもなく完売するため、6月中に若干の手直しのご指示をいただけること(2刷は7月中に発刊予定)。別の本と映像に関係する構想も、ほぼまとまりました。やはり、現場でお会いして時間をかけて話し合うこと。そんな当たり前のことの大切さを、おたがいに確かめ合って、握手をして再会を誓いました。
写真は、窯の煙の匂いや勢いを確かめる原さん。新緑とおおらかな里山に抱かれるような場所です。

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