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メールマガジン「文屋だより」は、
百年本の文屋代表、小布施人、農士、「美日常」提唱者として、
ものごとの原点(本来あるべき姿)を考えつづける筆者が、日々、交流の場を綾なしながら、
みなさまの人生とビジネスのお役に立つことを目的に、お届けしております。

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vol.052 「 46 億年」を思いながらゴミを拾う人。

2016年01月09日

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(きょうのテーマ)

「46億年」を思いながらゴミを拾う人。

鍵山 秀三郎・塚越 寛 著

『幸福への原点回帰』

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★成人式会場のトイレを新成人たちと清めました★
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けさ5時30分、凍てつく暗闇のなか、
小布施町役場の隣にある
「北斎ホール」の照明が灯りました。

信州小布施は江戸の絵師・
葛飾北斎ゆかりの地で、

450席ほどのホールに、
「北斎さん」の名を
いただいております。

照明のスイッチを押したのは、
前中学校長で、町公民館長の
堀込明紀さん。

ほどなく、
20代から60代の2男女6人が、
集まってきました。

そのうち10人は、
あした成人式を迎える
20歳のみなさん。

目的は、トイレ掃除。

翌日、成人式に集まる、
100人あまりの新成人の仲間たち
(みんな、中学校の同級生)が、
気持ちよく使えるようにと、

前の日の朝、有志で集まって、
トイレをピカピカに磨き上げました。

成人式会場のトイレを、
新成人がみずから、掃除して、
当日を迎える。

この「伝統」(まだ2回目ですが)は、
下の学年にも
受け継がれようとしています。

参加人数は未定ですが、

小布施町の新成人たちが、
成人式前のトイレ掃除をする背景には、
「歴史」があります。

小布施掃除に学ぶ会
http://obuse-souji.com/

掃除で環境をよくすることを通じて、
まちをより良くしていきたい。

そんな想いで集まった人たちが、
10年ほど前から、

小学校や福祉施設など
公共トイレの掃除を、
毎月、つづけています。

年に一度は、3月に、
「掃除に学ぶ感謝の会」
という催しを開いており、

来年3月の開催で、
10回目を迎えます。

その会場は、
小布施に一つだけの中学校
「小布施中学校」です。

全校で300人ほどのうち、
毎回三分の一以上の生徒が、
自主的に参加しています。

中学校の卒業生は15歳です。

卒業から5年後には、
成人式を迎えます。

ですから、
今の小布施町の新成人は、
全員が、
この掃除の「経験者」なのです。

わたしたち「小布施掃除に学ぶ会」の
大人たちが、

「成人式前日のトイレ掃除」
を呼びかけると、

5年前までの「体験」を、
すぐに思い出して、

「あー、あの掃除ですね。
わかりました!」

となるわけです。
(話が速い!)

わたしが仲間といっしょに、
「小布施掃除に学ぶ会」を始め、
つづけているきっかけになったのが、

鍵山秀三郎さんと
塚越寛さんとの出会いでした。

そして生まれた本が、
『幸福への原点回帰』でした。
http://www.e-denen.net/index.php/books?_id=18

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★「未来に希望の種を蒔(ま)く」という志★
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先月、新成人によるトイレ掃除について
書かせていただきました。

たくさんのみなさんに、
ご感想をいただき、
ありがとうございます。

そのなかでお一人の感想文を、
ご紹介いたします。

「日本一標高の高い駅 野辺山駅」
で知られる、長野県南牧村の
小学校で教えていらっしゃる
牧野直樹先生からです。

***牧野先生より***

いつも、
メールマガジン「文屋だより」には、
深い学びをいただき、
ありがとうございます。

感性を磨かれる思いです。

「小布施の成人式のトイレ掃除のお話」

鍵山相談役のお話もそうですが、
教育の結果は、
今すぐに目に見える形ではなく、
5年先、10年先ですね。

いち小学校教員として、
勇気をいただきました。

(中略)

未来に希望の種を蒔くというのは、
まさに「野心」ではなく、「志」ですね。

これからも、
どうぞよろしくお願いいたします。

南牧村野辺山 牧野 直樹

****引用、以上。改行、木下***

牧野先生、ありがとうございます。

二宮尊徳翁のお教え

「遠きをはかる者は富み
近くをはかる者は貧す」

は、経営の世界に通じるだけではなく、
教育にも、家風の養いにも、
まちづくりにも役立つ、

「百年の計」の哲学なのですね。

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★「46億年」を思いながらゴミを拾う人★
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牧野先生が書かれている「鍵山相談役」とは、
すでにみなさんご存知の
鍵山秀三郎さんのことです。

鍵山さんは、
カー用品の全国チェーン
「イエローハット」の創業者ですが、

その徹底した掃除を学ぼうと組織された
「日本を美しくする会」の
「相談役」として、

後進の指導をつづけていらっしゃる
82歳の人物です。

『幸福への原点回帰』をつくっていた
ある夏の早朝、

わたしは鍵山さんのお仕事場のあった
近くの公園で、
街頭清掃をご一緒していました。

紙くずや吸い殻などを拾うと、
ゴミにからまった雑草や枯れ葉も
拾い上げてしまいます。

わたしのポリ袋のなかを
ご覧になった鍵山さんは、
静かに、こうお話しになりました。

「木下さん、缶とペットボトル、
可燃のゴミをきちんと分別して、
拾ってありますね」
(誉められちゃった!)

「でもね(ドキッ)、木下さん、一つ、
改善したらいいことがありますよ」
(ドキドキ)

「はい、教えてください」

「吸殻などのゴミを拾うとき、
草や枯れ葉を取り除いて、
土に返してください。

土に返すと、
微生物やミミズが分解してくれます。

豊かな土は、また元気な緑や花を育てます」

納得。

ですが、わたしが驚いたのは、
そのあとのお言葉でした。

「この草が出来るまでに、
どれだけの時間がかかったか、
わかりますか?」

「はい、今は夏ですから、
早春から数えて、半年くらいですね」

鍵山さんは、公園の木々の先に広がる
夏空を見上げて、いつもの微笑みで、
話されました。

「46億年です」

「???!」

「この宇宙に地球が誕生してから、
46億年の時間がたっています。

この草や葉が、今、目の前にあるのは、
46億年におよぶ土や菌や、
動植物の営みの結果です。

ですから、
ゴミと一緒にむやみに捨てないで、
土に返してほしいのです」

「遠きをはかる者」ここに極まれり!

草も木も動植物も

このわたしも、貴方も、貴女も

新成人のみなさんが、
真剣に便器を磨き、
お腹の底から笑い合っている
生き生きとした姿を眺めながら、

鍵山さんの、
「46億年」のお話を、
思い出していました。

★あしたからは、
3月19日午後、東京・御茶ノ水にて、

新刊『おもてなし日和』の出版を祝う
文屋座でお話しくださる

高野登さんと井内由佳さんのことを、
書かせていただきます。

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★きょうの気づき★

◆ 自分たちが使う会場のトイレを
  掃除する。

  考えていれば「当たり前のこと」に、
  自然に取りかかれることの
  「すてきさ」。

◆ 大人たちもいっしょに参加する
  「掃除に学ぶ感謝の会」。

  「校風」は、数年で変わっていった。

◆ 風土(土地、会社、家庭、人)を
  変えるのは、
  簡単ではない。

  けれど、
  「小さなことを積み重ねる」
  だけで、「事は成ってゆく」
  のかもしれない。

◆ 46億年の「遠き」をはかる人生

「過去」への目線は同じくらい永い
「未来」への視座を支えている。

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『幸福への原点回帰』

文屋サイト:
http://www.e-denen.net/index.php/books?_id=18

いつもの書店さんでご注文ください。

Amazon:http://goo.gl/FhHmLY

いつもの図書館に「購入リクエスト」も。
(無料で読めて、みんなも読めます)

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