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メールマガジン「文屋だより」は、
百年本の文屋代表、小布施人、農士、「美日常」提唱者として、
ものごとの原点(本来あるべき姿)を考えつづける筆者が、日々、交流の場を綾なしながら、
みなさまの人生とビジネスのお役に立つことを目的に、お届けしております。

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vol.059 「ゴザル」を使う人びと

2016年01月16日

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(きょうのテーマ)

「ゴザル」を使う人びと

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★「講師の先生がゴザッタ!」★
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10年以上前のこと。

岐阜県飛騨地方の古川町(今の飛騨市)に、
講演会の講師として、
お招きいただいたことがあります。

テーマは、まちづくりでした。

元気な地域づくりのお手本、
先進地として知られる
長野県小布施町。

この地に生まれ育ち、
その少し前まで、

まちづくり会社
「株式会社ア・ラ・小布施」の
取締役事業部長を拝命して、

活動していたわたしに、

成功談、失敗談を話すように、
ご依頼をいただきました。

自家用車で、
松本市の安房(あぼう)峠を越えて、
小布施から走ること3時間。

古川町の講演会場にたどり着きました。

玄関でわたしが到着を告げたとき、

主催者の一人の女性が、
奥の会場にいらしたお仲間に向かって、
元気よく、声をかけました。

「講師の先生がゴザッタよ!」

???

ゴザッタってなに?

初めて耳にするいいまわしで、
意味がつかめないでいると、

「はーい」と言いながら、
二人の女性が玄関先へ。

お二人も、
「はー遠いところ、
よくゴザッテくださいました」

と、すてきな笑みで
語りかけてくださいました。

言わんとすることはわかるのですが、
「ゴザッタ」とか、
「ゴザッテ」ってなに?

と、わからないまま、
講演会は始まりました。

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★「ゴザル」は「御座る」でしたか!★
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講演会の後の懇親会。

この場でも、みなさん、
ひんぱんに、

「ゴザル」「ゴザッタ」を
連発されていました。

わたしが思いきって、

「それはどんな意味ですか?」

「どんな漢字を書きますか?」

と、おたずねしました。

「小布施では使いませんか?」と、
ちょっと不思議な表情で、

お隣の方が教えてくださいました。

「おいでになったとか、
「いる」ことを丁寧にいうときに、
使います。

漢字は「御座る」です。

なーるほど、
「御座います」の「ゴザ」なのですね!

と合点しました。

辞書で引くと、

【御座る】

[動ラ四]《四段動詞「ござある」の連体形「ござある」の音変化》
1 「いる」の意の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。
2 「ある」の意の尊敬語。おありになる。
3 「行く」「来る」の意の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。
4 「ある」の意の丁寧 語。あります。ございます。
(デジタル大辞泉)

よくよく調べると、
とても意味深い、やさしい、
思いやりに満ちた言葉なのだと、
わかりました。

そういえば、
飛騨古川のみなさんは、
おおらかな山懐の大自然に抱かれて、

ほのぼのと、たくましく、
暮らしていらっしゃる方が、
とても多いことを感じた二日間の滞在でした。

小布施に帰ってから、
わたしは一度だけ、
ためしに「御座った」を
使ってみました。

ですが、
「なんすか、それ?」と、
わたしが古川町のあの玄関で、
初めて耳にした時と同じような、

キョトンとした反応をされました。

以来、いちども使っていません。

ですが、
「御座った」をひんぱんに使いながら、
日常のコミュニケーションを交わす、
飛騨古川のあの風土を、

時おりなつかしく
思い出しております。

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     ★きょうの気づき★

◆「御座った」「御座る」を交わし合って暮らす、
美しいニッポンを、愛しく思う。

◆ 愛と哀 おなじ音する国の春(透玄)

有り難う御座います。

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