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メールマガジン「文屋だより」は、
百年本の文屋代表、小布施人、農士、「美日常」提唱者として、
ものごとの原点(本来あるべき姿)を考えつづける筆者が、日々、交流の場を綾なしながら、
みなさまの人生とビジネスのお役に立つことを目的に、お届けしております。

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vol.094 自分の暮らすまちを「いいまちだなー」と思えるまちづくり その8

2016年02月23日

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(きょうのテーマ)

自分の暮らすまちを
 「いいまちだなー」と思えるまちづくり その8

主役は誰だ? たたき込まれた「結果観光」

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★この舞台の主役は誰だ?★
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「美日常の、安らかで和やかな、いいま
ちをつくりましょう。」

美とは、ツトメを果たすこと。

幸せな人生は、日常が美しい。


わたしが、
こうした考え方を抱くようになった背景には、
20代半ばから小布施の地で受けた、

先輩方からの薫陶(くんとう)があります。


1.小布施という暮らしの舞台と、

2.先輩方からの薫陶

この2つを抜きに、
「美日常」の理念は生まれていませんし、

いまのわたしも、文屋もありません。


小布施の地に生まれ育ち、
高校を出て東京の大学へ。

2年あまり、出版社にお世話になってから、
25歳を前に帰郷して、
「須坂新聞社」という週刊の地元紙に、

記者として採用していただき、
故郷・小布施町での暮らしが始まりました。


そのころの小布施町は、

江戸末期にこの地に暮らして肉筆画を描いた
葛飾北斎の美術館「北斎館」が開館してから
数年が過ぎ、

美しい生活景観を生み出してゆく
「町並み修景事業」が、

栗菓子の小布施堂さんの主導で、
進められていました。

わたしよりも10歳か、それ以上の先輩方が、
精力的に進めたまちづくりの成果が実り始め、

学者、建築家、デザイナー、新聞記者など、
「専門家」といわれる人たちからも、
注目を集めていました。


人口1万2千人の町に、
毎年その100倍、120万人の来訪者を迎える
いわゆる「観光地」になっていました。


先輩方から、
お茶を飲み、お酒を酌み交わし、
夏祭りなどのイベントの準備をしながら、

しょっちゅう、
言われつづけたことがあります。


主役は住民


このことです。


「小布施の町を舞台だとすると、
この舞台の主役は、誰だと思う?」


その問いへの答えです。


「「お客さまは神さま」、
かもしれない。
でも、この舞台の主役ではない。

主役はあくまで、おれたち、
住民であり、ここで働く人たちだ」


「日本中にある観光地のリーダーは、
多くが間違っている。

お客さまを主役にしてしまう。

脇役(わきやく)にされた住民は
おもしろくない。

おもしろくないから、
笑顔が出ない。

笑顔であいさつできないから、
お客さまは不快に感じる。

不快に感じたお客さまは、
二度を訪れてはくれない」

「商いにとって、一番大事なのは、信者客。

信者客は、厳しい注文をくださり、
育ててくださる。

言われたら、、
真摯(しんし)に紳士(しんし)に答える。

そうすれば、リピートしてくださる。

いいお客さまを連れてきてくださる」


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★たたき込まれた「結果観光」★
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「そうなるためには、
この舞台の主役は、住民でなければならない。

お客さまは神さまかもしれないが、
この舞台の「主役」じゃない。

主役の住民が、
それぞれの立場で、
それぞれのお役目を果たして、

それぞれに輝いて、
幸せに生きている。

そんなすてきな日常(美日常)を
送っている住民が、

ふと振り向いたら、
そんな「暮らしぶり」にあこがれて、
お客さまが列を成してやってきていた。

つまり、
美日常の結果として、
お客さまが訪れ、商いが繁盛している。

これを「結果観光」と言うんだ。


日本のうまくいっていない「観光地」、

一時のブームが終わって、
閑古鳥(かんこどり)が鳴いている
「元観光地」。

どれも、みんな、「目的観光」。

きょう、あしたの
観光収入を求めて(目的にして)、

大金を投じて非日常的な施設をつくったり、
広告宣伝費をたくさんつかったり。

そういう土地のリーダー(首長や社長)に限って、

この舞台の主役の座まで、
お客さまに明け渡して、
奉(たてまつ)ったふり(!)をする。

笑顔を忘れた「脇役」の住民は、
お客さまを不快にさせる・・・この悪循環。


美日常の結果としての来訪者という
「結果観光」

観光収入という目的のために
住民の日常を犠牲にする
「目的観光」


小布施は断じて、「結果観光」で行く」


先輩方のこうした薫陶を受けた、
25歳の、うぶなわたしは(笑)、

以来、この考え方をたたきこまれながら、
小布施という舞台の主役の一人、として、

暮らし、働くことになりました。

なんという幸せな人生でしょう。


この幸せを独り占めにしないで、

後輩のみなさんに、

また、
小布施のまちづくりに学びたいという
全国・世界のみなさんに、

小布施の流儀を「応用可能」なかたちで、
お伝えしたい。

この想いを背景にして、
「美日常」という理念は生まれてきました。


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★「Iさん」て誰?★
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いまから30年前、
夏祭りイベントが始まる前に、

26歳だったわたしに、
冷えた缶ビールを差し出して、飲みほし、

「いいまちだなー」と言った30代の先輩
のことを、

この連載の「その1」にご紹介しました。


何人かの読者さんから、
「そのIさんて誰ですか?」と問われました。

発表します。

市村良三さんです。

わたしよりちょうど10歳先輩の方です。

東京の大学からソニーに就職され、
30歳のころに小布施に帰郷。

当時は、
小布施堂社長でいとこの市村次夫さんとともに、
同社のナンバー2として、

小布施のまちづくりを先導するお立場でした。


いかに実力があり、魅力があったとしても、
30代前半の男にまちづくりを託す土地柄も、
小布施らしいですね。


市村良三さんはいま、
小布施町の町長をおつとめです。
http://www.town.obuse.nagano.jp/soshiki/2/120709tyoutyouaisatu.html

「協働と交流」を主題にして、
小布施町を先導される市村町長に、

一人の住民として、これからも、
伴走していきたいと思います。


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★きょうの気づき★

◆この舞台の主役は住民。

ツトメを果たしながら笑顔で美しく生きる
住民の暮らしぶりに惹(ひ)かれて、

来訪者がやってくる。

この結果観光の考え方が、
まちづくり成功の根源。

◆結果観光のまち小布施の成功と失敗。

これを「よそのまちでも使える」
応用可能なかたちにした理念が、
「美日常」。

◆日常のさりげない会話の中で、
「いいまちだなー」と、

思わず口から出てくるような「まち」に
暮らしたい。

そういうまちをつくっていきたい。

◆「いいまち」とは、
どんなまち?

それがわかることが、
「いいまち」づくりの出発点。


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