本間正人さん(京都造形芸術大学教授)の初の自己啓発絵本『壁?』を発刊いたします。
【信州小布施 文屋だより 2012年6月28日号】
1.本間正人さん(京都造形芸術大学教授)の初の自己啓発絵本『壁?』を発刊いたします。
本間正人さん(写真)は、NHK・Eテレの人気番組「三か月トピック英会話 SNSで磨く!英語Outiput表現術」の講師などで、よく知られています。英語教育分野のスペシャリストとして著名な方ですが、じつは、すでに50冊以上の著書を持つ日本のコーチング界の第一人者で、教育学を越える「学習学」(ラーノロジー)の創始者でもあります。
本間さんとのご縁は、『わもん〜聞けば叶う』の著者で、聞く匠の「やぶちゃん」こと薮原秀樹さんにいただきました。昨年秋、東京駅近くのレストランでした。本書の「感謝の言葉」に本間さんは、次のようにお書きくださいました。
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「聞く」という行為を人間修行の中心に置いた『わもん〜聞けば叶う』(文屋) の著者・薮原秀樹氏(やぶちゃん)との出逢いからこの本は生まれました。
本書の原案を構想したのは、もう10年以上も前になります。しかし、出版の機会がないまま、ずっと眠っていた企画でした。
やぶちゃんから、長野県小布施町の出版社「文屋」の木下豊代表、編集者の中島敏子さんをご紹介いただいたのが2011年の10月。最初の出逢いで、この本が世に出ることが決まりました。それまで、この企画の前に存在した「壁」が一瞬にして消えてなくなったような感想を持ちました。
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次は本書の冒頭にある言葉です。
「あなたの目の前に高い壁があります。あなたはこの壁を越えたいと思っています。さて、あなたならどうやって越えようとしますか?」
本書には、「押す」「蹴飛ばす」「人間ピラミッドを造る」「すき間 を見つける」「回り道して横からいく」など、43の手立てを、ユニバーサルタッチのイラストと簡明な解説文、その英訳で紹介しています。眺めているうちにアイデアとモチベーションがあふれてくる一冊です。
中学一年生でも読み通せるように、難しめの漢字にはふりがなをふってあります。
手帳を一回り大きくしたくらいの、かわいらしい手のひらサイズ。糸かがりの丈夫な上製本で、日々の携帯はもとより、贈り物としても喜ばれることでしょう。定価1,260円(税込)です。
http://www.e-denen.net/index.php/kabe
出会いからわずか8か月。本づくりに時間をかける(かかってしまう)文屋としては、異例の速さで仕上げることができました。本間さんのご尽力と、編集を推進していただいた「らーのろじー株式会社」の高木繁伸さんのおかげさまです。また、ライターの中島敏子さん、デザイン装丁の奥田亮さんにも感謝をいたします。
“自己啓発絵本”として誕生した本書。昨秋、最初の出会いのとき、本間さんがご自分のパソコンに納めた絵を見せてくださいました。性別や年齢、民族を越えたユニバーサルな雰囲気いっぱいのイラストでした。それを描いたのが、奇遇にも小布施町に近い長野市にお住まいのイラストレーター、平林いずみさんでした。
平林さんは、本間さんの想いを、的確に、ささっと即座に、イラストに仕上げてくださいました。編集、デザインの視点からの修正のお願いにも、柔軟に対応していただきました。平林さん、有り難うございます。
本間さんの英語を校正してくださった、CS朝日ニュースター「Learning Planet」のコメンテーターとして出演されたGiles Murrayさんにも、御礼を申し上げます。
みなさまのご用命と、本書がみなさまの暮らしや働きの一層の輝きに、お役に立つことを、願っております。
http://www.e-denen.net/index.php/kabe
【本間正人さんのホームページ】http://www.learnology.co.jp/
2.文屋の近況
・かんてんぱぱ 塚越寛さんの『映像本 いい会社をつくりましょう』(DVD2枚と講演録)は、編集工程が大詰めです。去る5月1日・2日に開いた文屋座特別版で、伊那食品工業株式会社本社にて、大久保寛司さん(人と経営研究所所長)に企画監修とインタビューをお願いして収録した、DVD2枚と講演録の本のセットです。
1枚目は、塚越さんに大久保さんがインタビューした対話集です。2枚目は、大久保さんによる、社員の代表6人へのインタビューとまとめの解説です。講演録の本には、塚越会長の全インタビューと大久保さんのまとめ解説が収録されています。7月下旬にはお手元にお届けできます。ご用命をお待ちしております。
http://www.e-denen.net/index.php/iikaisya_dvd
・有用微生物を培養したボカシを生ごみにまぶして土に戻し、元気な土壌から元気な野菜を育てる試みを、小布施町の仲間と続けています。町内の保育園、幼稚園、小中学校の給食で出る生ごみを、町内の農家にご協力いただいて農地に戻し、農業振興にも役立てようという企画が動き出します。
ではみなさん、お健やかにおすごしください。
7月7日(土)・8日(日) 文屋は東京国際ブックフェア(TIBF)に出展します。おでかけください。
【信州小布施 文屋だより 2012年6月27日号】
1.7月7日(土)・8日(日) 文屋は第19回東京国際ブックフェア(TIBF)に出展します。おでかけください。
来週、東京ビッグサイトで開かれる第19回 東京国際ブックフェアに出展します。一般公開は週末の7日(土)と8日(日)です。文屋ブースは「2−18」です。このフェアに合わせて新刊を発売します。みなさまのお越しを、心よりお待ち申し上げます(無料招待券の情報は、文末をご覧ください)。
全国・世界から800社が出展、世界50カ国から8万5千人が来場する日本最大のブックフェアです。毎年、全国各地の書店、図書館・学校関係者、さらには海外出版社や一般読者が多数来場します。
各出版社の作り手たちが、最新の本や自信作を展示する、年に一度のブックフェアです。とても広い会場です。時間にゆとりをもってお出かけください。
文屋の出展は、平成17年に続いて7年ぶり2回目です。今回は、新刊・既刊20点あまりを持って、世界の舞台に立ちます。期間中、著者4人のみなさまが文屋ブースでのトーク&サイン会に駆けつけてくださいます。
『わたし、少しだけ神さまとお話できるんです。』著者 井内由佳さん
『世界夢ケーキ宣言! 〜幸せは家族だんらん』著者 清水慎一さん
『壁? Wall?』(7月8日発売予定)著者 本間正人さん
『はなぼん』(今秋発売予定)著者 花井裕一郎さん
今回は、小布施町立図書館まちとしょテラソが共同出展します。「この国でいちばんチャーミングな図書館」を決める「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー2011」の最高賞に輝いた同館の活動を、館長の花井さんを初めスタッフのみなさんが紹介します。同館と連携している国立情報学研究所・NPO連想出版も、ご支援くださいます。
文屋ブースについてのくわしい内容は、下記をご覧ください。
http://www.e-denen.net/index.php/bookfair
入場料1,200円ですが、招待券があれば無料で入場することができます。
招待券をご希望の方は、文屋にメールで、お名前、ご住所、必要枚数をお知らせください。プレゼントでお贈りいたします。
bunya@e-denen.net
招待券は、TIBF公式サイトからも依頼することができます(無料)。
https://contact.reedexpo.co.jp/expo/BOOK/?lg=jp&tp=inv&ec=INV
公式サイトは → http://www.bookfair.jp/
【写真説明】
1)文屋ブースのイメージです。NPO連想出版様にご紹介いただいた空間デザイナーの都留薫さんがご提案くださいました。幅5メートルの壁一面に、小布施の風景や人々の写真パネルを並べます。その数100枚!圧巻です。
2)ブックフェアに合わせて発刊する新刊『壁?』・・・どんな内容か、ご著者はどなたか・・・数日のうちに、次号でお知らせいたします。待てない方は・・・http://www.e-denen.net/
2.8月11日(土)夏の文屋座in福島を開催します。
http://www.e-denen.net/bunyaza_seminar.php
8月11日(土)13時30分から、福島市のJR福島駅に近い福島テルサホールで、夏の文屋座in福島を開きます。『わもん〜聞けば叶う』(文屋)の著者で「聞く匠」のやぶちゃんこと薮原秀樹さんの講演会と、3人による語り合いの2部構成です。
くわしい内容とお申込方法(事前予約制。定員500人)は、下記へどうぞ。みなさまのご参加をお待ち申しております。
http://www.e-denen.net/bunyaza_seminar.php
3.文屋の近況
自宅の一室を仕事場にしています。愛用の机から先祖伝来の庭を眺められます。いま、赤いサツキが満開です(冒頭の写真)。草取りや芝刈りなどの手入れは、日の出から間もない早朝の仕事です。たくさんの木や花の、みなぎるいのちを見つめている自分と、たくさんのいのちに見つめられている自分を、感じています。
ではみなさま、どうぞお健やかにおすごしください。
農業+出版業 文屋 代表 木下 豊
〒381-0204 長野県上高井郡小布施町飯田45
MOB:090-4706-9255 IP:050-8600-1714 TEL: 026-242-6512 FAX: 026-242-6513
e-mail:bunya@e-denen.net 文屋サイト http://www.e-denen.net
ブログ「美日常と小布施」http://www.e-denen.net/blog.php
「美日常の、いいまちをつくりましょう。」覚書(平成18年1月11日改訂)
「美日常の、いいまちをつくりましょう。」覚書(平成18年1月11日改訂)
「美日常」の考え方は、日々成長をつづけています。
○ 第一段階
生活者と来訪者の双方が満足する、美しい日常の提言。
みんなが「いいまちだねー」と心から思い、語り合えるまちを。これは崇高な理念であり、やすやすと実現できるものではないと思います。
出発はある疑問―――。
旅は日常から非日常への脱出といわれますが、小布施には日常と大きくへだたった非日常の場、たとえば全国的・世界的な遺産と認められるような文化や自然の資源はありません。ではなぜ、人口の一〇〇倍もの人が毎年訪れるのでしょうか? いっとき隆盛を極めた“観光地”が衰退していくのはなぜでしょうか? 小布施がそうならないためには? そして日本の地域社会が、そこに暮らす人々、訪れる人々が幸福を感じられるまちになるためには、どうしたらいいのでしょうか?
こうした疑問への回答につながる仮説が「美日常」です。
人はふだんの暮らしを離れて旅人になることで、日常からこころを解き放ち、無意識のうちにその感性をとぎ澄まします。その意味で、旅人はみな、詩人のこころをもっています。
立派な観光施設を造り、広告宣伝をしていっとき大勢の来訪者を迎えても、
その土地に暮らす生活者が不足や不満を抱いていると、来訪者は敏感に感じとります。旅人のこころは鋭敏です。その記憶は旅人に、その土地へのふたたびの訪れをためらわせます。家族や友だちにも勧めはしません。悪循環のはじまりです。悪循環と好循環の分岐点。それは、生活者と来訪者の「双方」の満足度の高さにあるのです。
そこで私は、まちづくりの鍵言葉として「美日常」を掲げてみました。
「たいくつな日常」と「たいへんな非日常」のどちらでもない、「たおやかな日常」の営み。日常と非日常の中間にあるグレーな存在を「美日常」と呼び、「美日常」の時空間を大切に育むことが、生活者と来訪者の満足が調和した、独自性の高い生活文化・経済文化の創造には欠かせないと考えます。
美しくない思い、美しくない言葉や姿勢に明確にノーと言うこと。「いま、ここ」の日常を礼賛しながら、明るく楽しく生きる。「いいまち」を目指して幸福に生きる生活者の日常は「美日常」であり、来訪者にとっても日常生活から一歩踏みだしたところにある「美日常」となる。「美日常」においてはじめて、双方の満足は調和し、好循環が末永くつづく土壌が育まれるのです。
「上質で小さなハレの場」。民俗学では、清浄性・神聖性を示すのが「ハレ」。日常性・世俗性を示すことばが「ケ」です。「美日常」は、ハレとケの間にある「小さなハレ」、日常の暮らしのなかで、たおやかな幸福感に満ちた、ささやかなハレです。私たちそれぞれが、自分たちの暮らす土地を「上質で小さなハレの場」にしてゆく。「美日常」はそのための理念です。
○第二段階
美とは、ツトメを果たすこと。
「美」という漢字は「羊が大きい」と書きます。神にささげられるイケニエとしての「大きな羊」が、この漢字の起源です。神から人にもたらされる幸福。幸福をいただくための交換条件が、人としてのツトメ。ツトメの象徴がイケニエです。人としてのツトメとは、ひと言で言えば和合の暮らしです。感謝することであり、反省すること。だれとでも仲良く穏やかに暮らすこと。責任、義務、任務、人としてすべきこと(してはならないこと)を果たすことにより、幸福(経済的な安定をふくむ)はもたらされます。ツトメは、家庭人として、地域人としての役割でもあり、まちづくりには不可欠の視座です。美とは、ツトメを果たすことと見つけたり!
○第三段階
平和は和合の束(たばね)、幸福の基(もとい)。
日々の和合を楽しむ美日常の暮らし。ふだんの穏やかな、さりげない日々の
繰り返し。その束が平和な国をつくります。平和がなくては人々の幸福はありません。
日々の暮らしに「美」を楽しむという視座。小布施に、世界に、いまも輝きを放ちつづける葛飾北斎の存在を、暮らし、生活文化の視点から再考してみること。美を楽しむ暮らしの大前提は、平和な国づくりであり、平穏な暮らしの営みです。「平和と和合」を明瞭に意識した生活を提言してまいります。
文屋の出版活動、私の暮らしは、このような「美日常」をいしずえにしております。
【画像について】美日常の概念図です