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2005年9月9日

小さなまちの底力陣内秀信先生のお話

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朝から仕事場にてすごし、午後3時、フランス食堂ヴァンヴェールさんへ。政策学校一新塾のお仲間で浦安在住のコンサルタント・宮寺卓さんご夫妻がこのお宿に泊まり、今夜の小布施堂さんにおける小布施ッションに参加されるとのことで、事前にお会いしました。

帰宅して本を発送し、小布施ッションへ。きょうの講師はイタリア建築・都市史がご専門の陣内秀信先生(法政大学教授)です。演題は「小さなまちの底力−イタリアの魅力の秘密」。イタリアにおける、生活の楽しみや環境の美しさを追求する暮らしぶりを、「小さなまち」を鍵ことばにお話いただきました。

メモをもとに、参考になったことを記します。

「個性派ナンバーワンのイタリアが世界に発信する価値が、人々の心をとらえている」

「人間の手に都市を取り戻す。車中心の都市から人が歩いて楽しめる町へ。都市開発の発想・理念・哲学が転換された過去30年間」

「一万人内外からそれ以下の小さなまちに住む人が多い国イタリア。その反対に、しゃれていて活力のある、いい感じのまちが消えていく日本。文化的な厚みのある地方の自立したまちが健在のイタリア。合併を推進する国と、自立を決めた小布施。今後のあり方の参考になるイタリアの小さなまち」

陣内先生はネットワークについて「輝く都市が、横並びではなく個性を発揮しながら共存し(競争し、ではない)、そして地域ネットワークを組んでいる。地形や歴史、文化的なアイデンティティー、つまりそれぞれの持ち味、資源を生かしきって、小規模経営をしている地元企業が活躍している」と表現されました。

魅力ある都市空間の鍵ことばとして「歴史の重なり、記憶、物語性のあるまち。演劇的な都市空間。演ずる、顔の見えるまち。人間のための街路。街歩き、象徴軸と迷路性。出会いの場としての広場の存在。生活感のあるまち。家に住むという視座から、まちに暮らすという視座へ」

東京における例として、晴海のトリトンスクェア
(http://www.triton-shop.com/web/)や恵比寿のガーデンプレイス(http://www.gardenplace.co.jp/)のように、すでに話題の第一線からしりぞいた、その意味で初期のブームが去った場所で、広場での語らいや散策を楽しむおじいちゃん・おばあちゃんや乳母車を押す夫婦が増えてきたそうです。これらは、陣内先生が紹介されるイタリアの小都市における魅力的な空間や暮らしに通じるものがあるとのこと。もちろん小布施においても、ほかの日本のまちにおいても不可能ではないことですね。

小布施の場合、緑の公園化の構想のある北斎館西の駐車場や、しんきん横ののぼりの広場などがすぐに浮かぶ、”魅力的になりうる広場”です。あたくしは、歴史的な背景や商店街との関係、駅や小学校との位置関係などから、皇大神社の境内が、長期的には可能性を感じます。移転・新設(新築ではなく)が議論されている町立図書館との関係も、注目ですね。

お話のあと、開店したばかりの洋食レストラン傘風楼にて、パーティーが開かれました。とっても勉強になった夜でした。小布施ッションはこれで50回目だそうです。運営されているみなさん、声をかけてくださった花井裕一郎さん、そして陣内先生、ありがとうございました。

【きょうの写真】イタリアの小都市における過去30年間の様子を、たくさんの写真を使ってご紹介くださった陣内先生(左下)。ストロボが届いていません。ごめんなさい。
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