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2022年5月19日

同調ではなく、協調を生む組織とは――オンライン通信講座「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」⑰

5月も半ばを過ぎ、来年度新卒者の採用活動真っ只中です。

試験や面接をとおして何を基準に候補者を選考し、採用を決定するのか。毎年悩まれる方も多いことでしょう。

選考の過程は、企業側にとっても自分たちのあり方を見直す機会です。会社が何を大切に思い、候補者たちに何に共感してほしいのかを明確にする必要があるからです。

「かんてんぱぱ」で知られる長野県の伊那食品工業は、毎年25人程度の採用枠に数千人の学生たちから応募がある企業です。

そこでは、どのような選考が行われているのでしょうか。

文屋では、伊那食品工業の最高顧問である塚越寛氏の「年輪経営」を学ぶオンラインセミナーを配信しています。

会社のパワーはどこから出るかというと、私は結束力、つまりチームワークだと思います。ですから、協調性という資質が大事なんです。そこで、入社試験では協調性を見る性格テストを実施して、それをかなり重視しています。(塚越寛さん)

協調性は、多くの会社から求められる資質です。でも塚越寛さんには、「成績よりも協調性を重視する」と断言するほどのこだわりがあります。

成績優秀者が必ずしも「学ぶこと」に長けているとは限らない。技能や知識を得ることは「学び」ではなく、「習得」であり、2者は区別しなければならない、と塚越さんは考えています。

学ぶことができる人とは、生き方や働き方を真剣に考えることができる人のこと。「人と社会の幸せ」を経営の目的とする伊那食品工業が求めるのは、その会社のあり方に共感し、ともに努力ができる人です。

塚越寛さんは経営者として、会社が何を大切に思っているかを社員一人ひとりに伝えるために、以前からご縁のあった文屋の木下豊に本づくりを依頼しました。

この塚越さんの考え方には、社内だけでなく世の中のすべての経営者に伝え届くものがある――。そう確信した木下が塚越さんに懇願し、出版にいたったのが『いい会社をつくりましょう』(文屋・2004年出版/2012年新訂)です。

この本が塚越寛さんの経営哲学を世に伝えるきっかけのひとつとなり、いまではトヨタをはじめとする数多くの企業が、その教えに学ぶようになりました。

[塚越寛さんとトヨタ自動車の豊田章男さん]

このセミナーで塚越さんの言葉を読み解く「人とホスピタリティ研究所」の高野登さんは、「協調」とは何かをこう解釈します。

協調と同調をごっちゃにしている組織がとても多いのですが、協調には一人ひとりが独立していることが必要です。個人の資質や人間性をきちんと見極めなければ、協調性が生きる組織はできません。そのうえで、個人に会社への共感と共鳴があってはじめて、協調が成り立ちます。同調は、これがなくてもできるんです。(高野登さん)

伊那食品工業が大切にしている「幸せ」とは何かを、社員一人ひとりが自分と他の人を主語にして考えることができること。このストーリーは同調圧力のなかからは決して生まれない、と高野さんは話します。

組織と人の関係性は、5年、10年、20年、あるいは30年というスパンで考え、互いの成長、発展を目指すもの。いまのコロナ禍のように予測しきれない変化のなかでは、一人ひとりの潜在性を見極める必要性がますます高まっています。

そしてその見極めは、働く人の人生の質にもつながります。

大学の新卒社員が22歳で社会に出て、65歳で退職するとすれば、働く年数は43年間。その時間の質が人生の質を決めるといっても過言ではありません。人を雇う経営者の役割は、本当に重いものです。

何よりまず会社が自分たちのありたい姿を本気で考えることが、一緒に仕事をする人はどういう人かを決める原点です。それが明確であるほど、協調が生まれ、働く人が輝ける組織づくりに繋がっていくのです。

あなたの会社にいまあるのは、同調ですか。それとも協調ですか。

トヨタも学ぶ「かんてんぱぱ」伊那食品工業の経営哲学から、ご一緒に考えてみましょう。

【末広がりの年輪経営プロジェクト】
ビジネス・オンラインスクール「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」

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7月下旬、現地で学ぶ「年輪経営伊那セミナー」に、塚越寛さんのご登壇が決定しました。心地よい夏の「かんてんぱぱガーデン」にぜひお越しください。(残席わずか!)
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2022年5月12日

真のブランディング戦略とは何か――オンライン通信講座「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」⑯

新型コロナウイルス問題が発生してから、季節は3巡目を迎えています。

思い起こせば、コロナ禍が始まった2020年はオリンピックイヤー。その誘致活動のころから、観光立国、インバウンド需要といった言葉を頻繁に耳にするようになりました。

観光を柱とする日本のブランディング戦略が始まった時期、といえるかもしれません。

ブランドとは、他にはない独自の深い魅力を表現するもの。誰もが「日本」と聞いたとき、その魅力を思い浮かべられるようにすることが、日本という国のブランディングです。

ブランディングは、むしろ経営戦略において語られることが多いものです。これを成功させ、大きな強みとしているある企業から、学んでみませんか。
文屋では、「かんてんぱぱ」ブランドで知られる伊那食品工業の最高顧問、塚越寛さんの「年輪経営」を学ぶオンラインセミナーを配信しています。

東京オリンピック・パラリンピックは延期され、昨年さまざまな制約下で開催されました。でも、やはりアピールに欠けていたのは、コロナだけが原因ではないように思えます。

塚越寛さんは、かつてインタビューでこう語りました。

スイスという国は、たとえば放牧をはじめとする農業を非常に大切にしていて、補助金を出しています。お金はかかるものの、放牧することで牛が雑草を食べてきれいにしていますから、それが景観形成につながっているんです。残念ながら、日本にはそういう意識がありませんね。(塚越寛さん)

[2010年1月1日 信濃毎日新聞 掲載]

スイスには、いまの日本にはない真の美しさがあるのでしょう。

スイスの美しい景観に魅せられた塚越さんは、長野県伊那市にある伊那食品工業の本社敷地内に、自然の景観が楽しめる広大な「かんてんぱぱガーデン」をつくりました。

地元の人だけでなく、観光客も頻繁に訪れるこの「かんてんぱぱガーデン」は、まさに伊那食品工業という会社のブランドを象徴しています。

というのも、このブランディングを実践しているのは他でもない社員たちだからです。庭園を毎日自分たちで掃除し、「訪れる人を喜ばせたい」と願う社員たちの心のあり方が、この場に真の美しさを形成しています。

社員たちの心が調い、それが行動に表れているからこそ、「かんてんぱぱガーデン」には人を惹きつける美しさがあるのです。

それは、自然の景観によるものばかりではありません。伊那食品工業には東京営業所がありますが、社員たちは向かいにある公園をいつも掃除しています。

園内の公衆トイレも掃除していたところ、「失業者が出るからやめてほしい」と苦情がきました。もちろん、トイレが汚れていたからこそ掃除をしていたわけですが、その後もある社員はこっそり掃除を続けていたそうです。

賃金の対価として働いている人よりも本質的な、自身の美意識によって行動していることがわかるエピソードです。

どうしたら、こうした社員が育つのでしょう。このセミナーで塚越寛さんの言葉を読み解く「人とホスピタリティ研究所」の高野登さんは、こう語ります。

伊那食品工業では、知識とかスキルではなく、how to be―「どうあるべきか」を日常的に教えています。会社のなかで社員として過ごす時間そのものが、人間としてのあるべき姿を考える時間です。(中略)会社の経営、考え方や、社員一人ひとりが持っている「かんてんぱぱ」伊那食品工業にたいする想いを見ていくと、すべてがブランディング活動そのものじゃないか、と僕には見えるんです。(高野登さん)

「かんてんぱぱ」に代表される伊那食品工業の商品ラインナップは、売れるかどうかではなく「本当に必要とされるもの」を考え抜いてつくられています。経営者も社員も、本来あるべき姿から生まれる美意識を持ち、ものごとの表面ではなく本質を見ています。

経営者としてこの会社を率いてきた塚越寛さんが指摘する、いまの日本に必要な真の美しさ。それは、人目を引く表面的な華美さではなく、日本人が本来持っている美意識のことではないでしょうか。

塚越寛さんは、文屋より発売中の絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』を推薦してくださっています。

この絵本で描かれる「きみがよ」の世界には、経済的価値に偏重することで忘れ去られた、日本人の真の美しさが表現されています。

経営者として、また日本人として考えるべき真のブランディング戦略とは何か。文屋のセミナーや著書をとおして、ぜひご一緒に考えましょう。

【末広がりの年輪経営プロジェクト】
ビジネス・オンラインスクール「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」

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絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』のご購入は、こちらから。

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塚越寛さんと絵本『ちよにやちよに』の著者である白駒妃登美(しらこま ひとみ)さんが語り合う、同書の出版記念ビジネスセミナーの映像は、こちらから。

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2022年4月28日

リーダーはいかに夢やビジョンを伝えるか――オンライン通信講座「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」⑮

明日からゴールデンウィークです。

新年度が始まり、この1か月はこれからの会社の方向性を確認する機会が多かったことでしょう。経営者のみなさまは、いま会社の未来をどう考え、それをどう伝えていますか。

リーダーが思い描く夢やビジョンは、会社の成長と発展に不可欠です。でも一歩まちがえると、単なる「絵に描いた餅」になってしまいます。

経営者はいかに自分の思い、夢やビジョンを社員に伝えていけばいいのか――。

文屋より配信中のオンラインセミナー「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」でご一緒に考えてみましょう。

このセミナーの学びの題材は、「かんてんぱぱ」で知られる伊那食品工業の最高顧問、塚越寛さんのインタビュー映像です。塚越さんは「伝える」ことについて、こう語っています。

会社全体のなかで、聞いている社員たちの理解のレベルは同等ではありません。よく知らしめるためには、まず全体を頭にイメージして、聞いている人はどの範囲かということを考える必要があります。(中略)本当の目的は「みんなにわかってもらうこと」ですから、私はなるべく横文字は使わないんです。(塚越寛さん)

最近では経営にかんする知識や情報があふれ、ビジネスの現場でさまざまな横文字、アルファベットやカタカナ語が使われます。ただ会話で使う場合は配慮が必要です。

インタビュアーである「人と経営研究所」の大久保寛司さんは、塚越さんの言葉にうなずきます。

ある横文字の言葉について説明を求めると、3人いれば3人違うことを言うんです。ということは、同じ言葉を使っていても、全然コミュニケーションがとれていないわけです。それでは、お互いに言いたいことも伝わりようがありません。(大久保寛司さん)

伝える言葉を選ぶとき、流行りや恰好よさなどではなく、その言葉を自分がいかに理解し、相手と共有できるかを考えることが大事だと気づかされます。

そして、そもそも経営者が自分の思い、夢やビジョンを考えることにおいても、このことは本質です。

リーダーが「絶対に実現する」という信念を持ち、具体的かつ鮮明なゴールが見据え、借りものとは違う自分の言葉で語れること。それがあってはじめて、社員たちとともに目指す未来の姿になりうるのです。

このセミナーでは、さらに「人とホスピタリティ研究所」の高野登さんが、塚越寛さんのインタビュー映像を読み解きます。

高野さんは塚越さんのビジョンを世界有数のリーダーたちと共通するものとして、こんなお話をしています。

ウォルト・ディズニー氏は、米国のフロリダにあるウォルト・ディズニー・ワールドの完成を待たずに亡くなりました。開業時のインタビューで「ウォルトはこの素晴らしい施設を見れず、残念でしたね」と問われたディズニー氏の妻は、「いえ、最初から夫にはこの風景が見えていました」と答えたそうです。これがビジョンの力です。(高野登さん)

塚越寛さんもまた、伊那食品工業の経営において「人と社会の幸せ」を目的としてきました。社是「いい会社をつくりましょう」を掲げたときからきっと、いまの会社の姿が見えていたはずです。

そして塚越さんは、この社是やそこに込められた思いを、あらゆる場で伝えてきました。周りにいる人に、それこそトイレでも、会った社員に話しかけるそうです。

全社員に直接伝える場も大切にしており、伊那食品工業は会社が貧しかったころからずっと、全員が一堂に集まれるスペースを確保してきました。また社員たちは、名刺サイズの社是カードを携帯し、毎日の仕事のなかでそれを確認します。

築き上げた会社の価値を維持するためにも、伝え続けること、そして社員たちが語り合うことを大切にしています。

夢やビジョンを「伝える」ことの原点は、経営者自身がその思いに夢中になれるかどうかです。

心から出た言葉、魂からの叫びにしか相手の心は動かないことは、あらゆることにおける真理でしょう――。

高野登さんのこの一言が、まさに「伝える」ことの真髄です。

高野さんはこの後も、ビジョンによって創り上げられる会社のブランドについて興味深い話を続けています。

「かんてんぱぱ」や「ホスピタリティ」というカテゴリ―は何を意味するのか。続きはぜひ、オンラインセミナーでお楽しみください。

【末広がりの年輪経営プロジェクト】
ビジネス・オンラインスクール「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」

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塚越寛さんが推薦する絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』出版記念ビジネスセミナーが、早春の「かんてんぱぱガーデン」を臨む伊那食品工業本社セミナールームで行われました。
映像のご購入は、こちらから。

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2022年4月21日

会社経営における永遠の真理は「忘己利他」――オンライン通信講座「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」⑭

経営者のみなさまが考える「いい会社」の指標とは、どのようなものでしょうか。

売上や利益、顧客や従業員の満足度、またこうした数値の根拠となる個別具体的な項目が、いくつも頭に思い浮かぶかもしれませんね。

ビジネスの世界では、KPI(重要業績評価指標)がよく使われます。最近では業績などの側面だけでなく、社員の満足度やエンゲージメントといった人間的な側面の指標についても、頻繁に語られています。

では、あなたがこう言われたらどう感じますか。 

「いい会社」であることの指標は、自らの利を忘れて相手の利に資しているかどうかである――。

文屋より配信中のビジネスセミナー「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」をとおして、ご一緒に考えてみましょう。

「かんてんぱぱ」で知られる伊那食品工業の最高顧問、塚越寛さんは、みずからの経営指針の中心にある「忘己利他」の精神について語っています。

「忘己利他」は、天台宗の開祖、最澄の「己を忘れて他に利するは慈悲の極みなり」という教えに基づく言葉だそうです。これが、ビジネスにとって一番大事な永遠の真理ではないかと、私は思っているんです。たとえば「自分の財産よりも社員の幸せ」とか、「人に迷惑をかけない」ということです。(塚越寛さん)

経営者として何かを判断するとき、塚越さんはつねにこの「忘己利他」を基準にしていますが、ここには補足があります。「だからといって、お人よしでは困ります。ですから当社の社是にありますように『たくましく』が必要になるんです」と。

塚越さんが考える「忘己利他」は、社員や社会の幸せを実現するために売上や利益を上げる、つまり、経済的にたくましい会社をつくるということです。

一般的には、売上や利益があってこそ、社員や社会に還元できるものと考えるでしょう。しかし、この順番でものごとを考える会社を、人々は長期的にみてどう評価するでしょうか。

現代社会は、VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)という言葉に象徴されます。こうした時代であっても不変の価値があるとしたら、それは人々からの信頼です。

また「忘己利他」と聞くと、宗教的もしくは哲学的で馴染めないという人も多いでしょう。しかし宗教や哲学には、間違えなく時代にとらわれない永遠の真理があります。

このセミナーでは、塚越寛さんのインタビュー映像を、「人とホスピタリティ研究所」の高野登さん文屋の木下豊が読み解いています。

会社のなかでは、宗教的な求心力とか、何かひとつのものごとに向かって突き進んでいく、そういうエネルギーを生み出す時期は、必ず必要です。あのジャック・ウェルチさんも、どの企業にとっても宗教的な求心力は必要な能力であると、はっきりおっしゃっていました。(高野登さん)

伊那食品工業では「忘己利他」という考えを共有することによって、社員たちは実際に仕事を進めていくうえでは大きな裁量が与えられています。

経営者の考え方に社員が納得し、心をひとつにすることでエネルギーが生み出されれば、それは会社を強く、たくましくする何よりも大きな原動力となっていきます。

永遠の真理という視座は、最近よく耳にするようになったビジネスにおけるアート感覚、美意識という概念ともつながります。

塚越寛さんに倣い、みずからも年輪経営を実践する文屋の木下豊は、「美しさ」についてこう語ります。

美しいとは、「羊」が「大」きいと書きます。漢字は中国大陸で生まれましたが、村人が五穀豊穣や安全を祈って神に生け贄を捧げるとき、その羊が丸々と太って大きければ、神様から幸せがもたらされると考えられていました。つまり、美しさとは個別の感覚ではなく、人としての務めをなすことで幸せがもたらされるということ。その姿こそが美しいのであり、塚越さんの考える「忘己利他」と親和性があります。(木下豊)

文屋より発売中の絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』には、日本人が古来もちつづけてきた忘己利他の「美しさ」が表現されています。

過日、塚越寛さんも参加するこの絵本の出版記念ビジネスセミナーが、伊那食品工業本社敷地内の「かんてんぱぱガーデン」を臨むセミナールームで行われました。貴重なセミナーの映像は、こちらからご購入いただけます。

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会社の利益を上げるためではなく、会社を永続させるための永遠の真理とはいったい何か――。

日本中から愛される「かんてんぱぱ」伊那食品工業を導いてきた、塚越寛さんの経営哲学から、ぜひたくさんのヒントを見つけ出してください。

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2022年4月14日

経営者と社員のワクワク感が、新たな発想を生む――オンライン通信講座「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」⑬

新年度が始まりました。上司が変わったり新入社員が入ってきたりと、職場の雰囲気が変わることも多い時期です。

これまで慣れ親しんできた環境が変わることで、ストレスを感じることもあるでしょう。でも、こうしたストレスは必要な刺激でもあります。

脳は外部からの刺激により、年齢が上がっても維持活性化できるということが、最近では指摘されています。好奇心を持ち、積極的に体を動かして他者とのコミュニケーションをとることが、良い刺激になるようです。

新年度に、社員が新たな発想を生み出せるような職場づくりを考えてみませんか。

文屋では、「かんてんぱぱ」で知られる伊那食品工業の最高顧問、塚越寛さんが唱える「年輪経営」を学ぶオンラインセミナーを配信中です。

塚越寛さんは60年以上前、零細企業であった伊那食品工業を任されてからずっと、職場を快適にすることに注力してきました。資金がないときはみずから率先して設備の改良や建物の修繕を行い、少しでも利益が出れば生産設備を改良しています。

やがて会社は樹木の年輪のように少しずつ成長し、資金にも余裕ができるようになりました。そのころから塚越さんはつねに、社員たちに「何か買っているか」「もっと買いなさい」と話すようになります。

 

携帯電話もすぐに会社から全営業マンに与えましたし、スマートフォンが発売されると、これも全営業マンにパッと与えました。やはり文明というのは、絶対に後戻りをしません。ですから「これが定着する」と思ったら、早くやった者が勝ちでしょう。快適ですし、都合がいいですから。車のETCも、私は会社の全車両にサッとつけました。なんでも早いんです。(塚越寛さん)

技術の進歩が目覚ましい現代社会において、経営者はつねに新たな機器を導入する決断に迫られます。ところが、年齢を重ねると文明の利器の価値を見極められず、つい現状維持しようとすることも多いでしょう。

御年80歳を越える塚越寛さんですが、こうした考えは皆無です。これまでも、そしていまもつねに「この先」を見据えています。

このセミナーでは、塚越さんのインタビュー映像を「人とホスピタリティ研究所」の高野登さんが読み解きます。

人ってすぐ慣れちゃうんです。でも習慣化されたところからは、新しい発想は生まれなくなります。機械だけでなく、自分がいままでやってきたルーティンのなかに入っていくほど、新しい刺激がこなくなり、心のなかでも頭のなかでも発想がスパークしなくなります。これがじつは、一番危険なんです。(高野登さん)

伊那食品工業では「かんてんぱぱ」シリーズを始め、型にとらわれず発想を広げて、毎年あらたな製品を発売しています。仕事にたいしていつの間にか起こる思考の習慣化を壊し、新たな感性が刺激されるしくみがあるのです。

高野さんは、塚越寛さんがより高い視座から会社全体を見ていること、5年、10年、20年という長いスパンで社員の成長を考え、停滞させないこと、機械だけでなく社員そのものがスペックを上げていくということをつねに意識していることを話します。

ザ・リッツ・カールトン・ホテルの元日本支社長である高野登さんは、同ホテルの初代社長ホルスト・シュルツィ氏と塚越寛さんに共通点を見出しています。

「慎重さ」という言葉の影に隠れてタイミングを逸したり、逆に周りを見ずにスピードを出し過ぎて衝突したりするのではなく、頭の中で俯瞰的に見て全体のスペックを上げていくこと。そのうえで経営者として覚悟をもち、スピードに乗っていく力があるということです。

トップが適切なスピード感を持ち、仕事にたいしてワクワク感を持っていれば、そういうトップがいることに社員たちはワクワクします。だからこそ、リッツ・カールトンの社員も伊那食品工業の社員もワクワクしているのです。

いま経営者は、「社員たちが仕事にワクワクしていないことが大きなリスク」と感じる必要があります。

新年度の新たな取り組みを考えたいとお考えのみなさまに、ぜひ文屋のオンラインセミナーをご活用いただきたいと思います。

【末広がりの年輪経営プロジェクト】
ビジネス・オンラインスクール「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」

https://www.e-denen.net/cms_bunyaza_school_01.php

文屋主催の絵本『ちよにやちよに』出版記念ビジネスセミナーでは、「かんてんぱぱ」伊那食品工業の社員たちの「ワクワク感」を刺激する社員旅行について、興味深いエピソードが語られました。この映像は、下記よりご購入いただけます。

https://www.e-denen.net/cms_bunyaza_school_04.php

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2022年4月7日

互いを思いやる日本人の心が「苔むす会社」をつくる――絵本『ちよにやちよに』出版記念ビジネスセミナー【第二部】

前回に続き、絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』出版記念ビジネスセミナー(伊那食品工業本社セミナールームにて3/10に開催)【第二部】についてご紹介します。

【第一部】はこちら → https://www.e-denen.net/cms_blog.php/54

第一部では、絵本『ちよにやちよに』の著者であり、博多の歴女である白駒妃登美(しらこまひとみ)さんが、伊那の地の愛の歴史と「君が代」のこころを語りました。

続く第二部では、「かんてんぱぱ」で知られる伊那食品工業の最高顧問の塚越寛さん、代表取締役社長の塚越英弘さん親子が、白駒さんと語り合います。

対話会をファシリテートするのは、「人とホスピタリティ研究所」の高野登さん。白駒さんの講演にたいする「伊那への“思い込み”がすごい!あ!“思い入れ”だった(笑)」という第一声で、聴者の和やかな笑いを誘いました。

高野さんは塚越寛さん、英弘さんにも講演の感想をうながします。

白駒さんがおっしゃった通りね、他人が幸せならば、自分が幸せだと。私もそう思う。本当にね、社員の喜ぶ顔や社員のあの幸せな姿を見ると、自分も存在する意味があるなと思います。いいことをやっているような、自己満足があります。(塚越寛さん)

日本人の心って、本当に素晴らしいと思うんです。いま経済界、ビジネス界はグローバルスタンダード、世界標準と言われていますけど、むしろ日本人らしさ、日本人の良さっていうのをしっかり自分たちで学んで、もっと世界に発信していくべきじゃないかと思っています。今日、その思いを後押ししてもらいました。(塚越英弘さん)

自他を区別しない一体化された世界観というのが、日本人の精神性の源泉だった――。

白駒妃登美さんの講演で語られたこの大切なメッセージは、この地に根づく「利他」の経営者である塚越親子としっかりつながっていました。

塚越寛さんは、「会社は社員を幸せにするためにある」と断言しています。たった一度しかない人生なのだから、人は有意義に楽しく、幸せに過ごすべきだと、経営者として考えています。

こうした思いは、実現されてこそ真価となります。

伊那食品工業は毎年、25人程度の新卒採用を続けています。労働力の流動性が高まっている昨今でも、退職者はほとんどいません。また最近では、結婚退職した女性社員の子育てがひと段落し、販売店やグループ会社に戻ってくるというケースが続いているといいます。

「ひとりの人間として、自分の一生を預けることができるという安心感がある。この安全な職場だからこそ、社員はやめません。やめないどころか、社員たちが会社のスポークスマンになっています。(高野登さん)

会社の「あるべき姿」をしっかりと描いて社員たちに語り、それを実現する。「有言実行」の伊那食品工業のあり方を知り、白駒妃登美さんは伊那という地の解釈を深めたといいます。

「伊那の歴史の本質に、土地を納める者と領民たちの心の交流があると気づけたのは、伊那食品工業さんを知ったからなんです。お互いが思い合い、響き合う心があるから、こんなに素晴らしい会社なんだと。経営陣と社員さん、あるいはお客様とのつながり。私からしてみると、“ザ・伊那”です。」(白駒妃登美さん)

白駒さんのお話を象徴するエピソードとして、塚越親子からはこんな話も披露されました。

昨年末、不幸なことに社員のひとりの自宅が火事で全焼してしまいました。そのとき総務担当者を中心にすぐに社員が連携し、一時的な住まいを確保して被害者ご家族を運び、衣類や食品などの寄付を募りました。すると年末の多忙な時期にもかかわらず、社員たちから大量の支援物資が集まり、すぐに「もう十分です」という連絡が入ったということです。

塚越寛さんは「会社は困っている社員を躊躇なく支援する」と話します。伊那の地が誇る信頼関係は、間違いなくここにあるのです。

絵本『ちよにやちよに』は、日本人の美しい心を描き出しています。互いに思い合い、響き合う心を大切にしてきたからこそ、永くこの国は繁栄し続けてきたことを伝えるものです。

その心を大切に成長してきた伊那食品工業は、『君が代』に歌われる「苔むす会社」を目指すと公言しています。本社敷地内の美しい庭園「かんてんぱぱガーデン」は、まもなく美しい苔が見られる季節となります。

永続企業を目指したい、とお考えの経営者のみなさま。この春、絵本『ちよにやちよに』を片手に、ぜひ伊那食品工業を訪れてみてはいかがでしょう。

苔のむす「かんてんぱぱガーデン」を歩き、五感を研ぎすませてみてください。目の前の利益ではない、会社の真価を見つけ出すことができるはずです。

ここには書き切れなかった秘話がまだまだあります。絵本『ちよにやちよに』出版記念ビジネスセミナーの編集ビデオはまもなく発売予定です。お楽しみに。

高野登さんが塚越さんのインタビュー映像を読み解くビジネス・オンラインスクール「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」のお申込みはこちらから。

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2022年3月24日

白駒妃登美(しらこまひとみ)さんが語る、伊那の地の愛の歴史と『君が代』のこころ――絵本『ちよにやちよに』出版記念ビジネスセミナー【第一部】

「いま、世界情勢が混迷を深めるなかで、この伊那の地から、何かがはじまるんです」(白駒妃登美さん)

去る3月10日午後、長野県伊那市にある伊那食品工業本社のセミナールームにて、絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』(文屋)出版記念ビジネスセミナーが開催されました。

なぜ、この場で行われることになったのか――。
 

絵本『ちよにやちよに』は、私たち日本人の多くが抱いてきた国歌『君が代』の世界観を大きく変えるものです。

著者である白駒妃登美さんが、絵本をとおしてもっとも伝えたかった利他の愛。日本人が永く受け継いできたこの美しい心を、いま経営の現場でもっとも具現化しているのが、伊那食品工業です。

版元、そして制作チームの一員として絵本『ちよにやちよに』をともに育ててきた文屋代表の木下豊は、この絵本と伊那食品工業のビジネスのあり方は、根がしっかりとつながっていると確信していました。

木下は昨年末、伊那食品工業の最高顧問、塚越寛さんと白駒妃登美さんのご縁をつなぎました。この出会いが生み出す大きな力を発信すべく、同社での出版記念ビジネスセミナーの開催が決定したのです。

今回は二部制プログラムの第一部、冒頭でご紹介した一言ではじまる白駒妃登美さんの講演についてご紹介します。

伊那は博多の歴女と言われる白駒さんにとって、深い思い入れがある場所。この地で利他の経営を実践する塚越寛さんとのご縁に運命を感じた白駒さんは、ゆかりある人物たちのことを熱く語り始めました。

長野県伊那市は江戸時代、高遠藩として成立。「この混迷した現代にもっとも蘇って欲しい人物」と白駒さんが語る保科正之公は、将軍縁者であり、この地を納めた大名のひとりでした。

正之公は、江戸期最大の火事で焼失した江戸城の天守閣の再建より、民衆たちの生活を安定させる公共事業を優先すべきと進言した人物です。世界でも争いが絶えなかったこの時代、200年も天下泰平の世を継続した江戸期のリーダーシップの象徴でありました。
 

伊那の地を生きた人々の心の交流を、白駒さんは続けます。

高遠最後の藩主となった内藤家は、この地を去るとき領民たちに家宝のほとんどを譲りました。互いに感謝し合う思いやりにあふれた日本有数の地である証しとして、いまも高遠の歴史資料館には、他にないほどの多くの美術品が残されています。

明治から昭和にかけ政治家として生き、郷土高遠の治山治水に努めた伊澤多喜男氏の功績を後世に伝える「無字の碑」。「政治家が人々のために尽くすのは当然」と石碑の建立を固辞する多喜男氏の想いを汲みつつ、あふれる感謝の想いを抑えられなかった地元の人たちは、想いの結晶として文字を刻まない石碑を残しました。

多喜男氏の兄、伊澤修二氏は教育家として台湾の教育発展に尽くした人物。その感謝の気持ちから、いまも日本で大災害が起こるたびに、台湾から大きな支援があります。

白駒妃登美さんが語るこうした歴史は、単なる「過去」ではありません。
私たちが「いま」何を問い、それにどう応えるかを考えるきっかけを与えてくれるもの、さらにそこから「未来」へとつながる行動を導いてくれるものです。

伊那の地に根づく利他の愛は、日本人が古来もちつづけてきた和を尊び、命を慈しむ心。それは白駒さんが絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』をとおして伝えたかった、もっとも大切なメッセージです。

国歌『君が代』の元歌は、1100年以上前に詠まれた和歌でした。

わがきみは ちよにやちよに さざれいしの
いわおとなりて こけのむすまで


「衝撃を受けました。実は私は高校生のころ、もっとも好きな授業は古文だったんです。【きみがよ】じゃなく、【わがきみ】だったんだ、と。【わがきみ】というのは、主に女性が愛する男性にたいして使う言葉なんですよ。だから『君が代』の元になった和歌って、愛の歌・・愛の歌だったのね、と。ただひたすら愛する人の長寿と幸せを祈る、究極の愛の歌だったんです(白駒妃登美さん)

この歌がこれほど永く歌い継がれたのは、「あなたの幸せが私の幸せ」と感じられる利他の心が日本人に共鳴するものだからです。

「自他を区別しない一体化された世界観というのが、日本人の精神性の源泉だった」

白駒さんは、伊那の地の愛の歴史と『君が代』のこころを、この言葉でつないでくれました。

では、この地で利他の経営を行う塚越寛さんの想いは――。

今回に続き、次回は第二部、白駒妃登美さん、塚越寛さん、塚越英弘さん(伊那食品工業代表取締役社長)の対話会についてご紹介します。どうぞお楽しみに。

ビジネス・オンラインスクール「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」は文屋より配信中。

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2022年3月17日

心を調える掃除、自然から体得するセレンディピティ――オンライン通信講座「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」⑫

春分の日が近くなり、暖かい日がぐんと増えてきました。植物のつぼみもほころび、まもなく色とりどりの花が咲き始めます。

春は一年のなかで、もっとも生命力を感じられる季節ですね。

長野県伊那市にある伊那食品工業の本社敷地内には、「かんてんぱぱガーデン」と名づけられた広大な庭園があります。

約三万坪の敷地に自生する赤松を多く残し、自然の景観を楽しむことができる「かんてんぱぱガーデン」。社員だけでなく地元の人や観光客にも開放されており、近いうちに美しい花々が人々を楽しませてくれるでしょう。

伊那食品工業の社員たちは、「かんてんぱぱガーデン」の掃除や植物の手入れを自分たちで行っています。

同社の最高顧問である塚越寛さんは、こうした作業が社員たちの人間力を育てると考えており、それは長年継続している習慣です。

文屋では、塚越寛さんが唱える「年輪経営」を学ぶオンラインセミナーを配信しています。

「かんてんぱぱガーデン」には、レストランやお土産ショップ、絵画館や多目的ホールもあります。ガーデン清掃にはサービススタッフだけでなく、社員全員が参加し、朝の日課となっています。

「社員たちは体験的に、きれいにすると大勢のお客様が来てくださり、褒めてくださることを知っていますし、自分たちも気持ちがよく、それが気づきのもとになることも、なんとなく知っているんです」(塚越寛さん)

オンラインセミナーで、塚越寛さんのインタビュー映像を読み解く「人とホスピタリティ研究所」の高野登さん(ザ・リッツ・カールトンホテル元日本支社長)は、こう語ります。

「じつはリッツ・カールトンも裏方が綺麗です。一時、大阪では『裏方ツアー』として、一般の団体の方に、従業員がふだん過ごしている場所や朝礼の様子を見てもらっていました。働く場所がちらかれば、心がちらかり、社員の成長も止まります。(中略)会社に一歩入った瞬間に、結果を出している会社は整っていることがわかります」(高野登さん)

掃除が行き届き、職場が整っているかどうかは、まさに経営のあり方を写す鏡。そこに一方向的な指揮命令があるのか、それとも互いの信頼関係があるのかが、如実に反映されるからです。

場を整えることの意味を経営者と社員が共有していれば、うわべだけでない真の美しさが維持できます。「かんてんぱぱガーデン」を訪れたことがある人ならば、心から納得できるでしょう。

清掃や草木の手入れによる自然からの学びは、研究開発においても大きな力となります。季節ごとに姿を変える自然と向き合うことは、研究員たちに気づきを与え、考える力を刺激するものです。

伊那食品工業では、そのことをセレンディピティという言葉で表しています。「セレンディピティ=偶察力」とは、偶然の出来事から察し、ものごとの本質を見出すこと。またはその能力、いわゆる掘りだし上手のことをいいます。

四季の移り変わりのころは、飛んでくる鳥や虫、芝生の色が少しずつ変わっていきます。吹いてくる風にも、ひんやりする風、寒い風、生ぬるい風などいろいろな種類があります。

掃除や植物の手入れを通して五感を研ぎ澄ませ、気づきを語り合うこと。そのことによって感性が磨かれ、本質的に価値のある製品の開発に繋がっていきます。

塚越寛さんは経営者として、社員の仕事の能力より人間力を育てることを重視しています。そんな塚越さんが推薦してくださっているのが、絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』(文屋)です。

去る3月10日(木)の午後、早春の「かんてんぱぱガーデン」に面する伊那食品工業本社のセミナー室で、絵本『ちよにやちよに』出版記念ビジネスセミナーが開催されました。

第一部は、絵本の作者である博多の歴女、白駒妃登美(しらこまひとみ)さんのご講演。伊那の地の歴史から語りはじめ、絵本『ちよにやちよに』に込めた祈りへと結ばれるストーリーに、聴者はすっかり引きこまれました。

そして第二部は、高野登さんがファシリテートする白駒さん、塚越寛さん、塚越英弘さん(伊那食品工業代表取締役社長)の対話会。絵本『ちよにやちよに』が描き出す日本人の命の輝きが、経営者である塚越親子の日々の実践と見事につながりました。

出版記念セミナーは編集され、近く発売される予定です。このブログでも、内容をご紹介していきます。

社員の人間力を高めたい、とお考えの経営者のみなさまは、必見です。楽しみにお待ちください。


【末広がりの年輪経営プロジェクト】
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2022年3月10日

自然から学び、持続可能な「成長」を見極める――オンライン通信講座「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」⑪

最近、卒業式の風景をよくみかけます。

コロナ禍の学校生活では制限が多く、寂しい思いがあるでしょう。それでもここまで頑張り、卒業の日を迎えた生徒、学生のみなさんには、自分の成長に自信と誇りをもってほしいと思います。

新型コロナウイルスの蔓延は、経営にも大きな影響を及ぼしています。それでも、会社を成長させることは不可能ではありません。

「かんてんぱぱ」で知られる伊那食品工業の最高顧問、塚越寛さんは、環境によらず毎年かならず年輪を増やして成長する樹木に、持続可能な会社のあり方を見出しました。

文屋では、塚越寛さんの「年輪経営」に学ぶオンラインセミナーを配信しています。今回は「成長」をテーマに考えてみたいと思います。

塚越寛さんの最初の就職先は、製材会社でした。そこでの働きぶりが認められたことで、破綻寸前だった系列の寒天メーカーである伊那食品工業の社長代行に任命されます。

「年輪を観察していると、優秀な材ほど目が詰まって幅が小さく、芯が中心にあってどの方向にも同じように成長している。成長が速い木や特殊な木は日の当たる側の年輪の幅が偏って広く、用材として使った場合曲がりやすく、狂いやすいんです。」(塚越寛さん)

良樹の年輪から学ぶ感性を持っていた塚越さんは、経営者となってからも日常の小さな変化に目を向けました。つねに周囲に心を配り、社員たちが健康を維持し、前向きに楽しく仕事ができるようにと、配慮と工夫を欠かしませんでした。

その塚越寛さんが考える「成長」とは、良樹の成長に倣う全体のバランスの良さです。

会社の売上や規模のような、見えやすい基準ではありません。社員一人ひとりの生活の安定や、会社が世間にどれほど役立ったかなど。さまざまな角度から「昨年より進歩した」と実感できることを、広く考えて判断します。

会社の成長は、周囲との信頼関係を築き、さまざまな関係性を成熟させることなしには、あり得ません。これらを土台として世の中のニーズを探ることで、伊那食品工業は「かんてんぱぱ」製品をはじめ事業の可能性を広げ、成長を継続させてきました。

破綻寸前だった伊那食品工業は、いまでは年間売上約180億円、社員約500人の企業になりました。この実績は、経営者である塚越さんがこうした数字を目的とせず、「あるべき姿」を貫いてきたからこそ成し得たものです。

コロナ禍では、多くの企業が苦境にあえいでいます。伊那食品工業でも、例年より売り上げは落ちています。でも、どのような状況になっても社員や取引先に影響しないよう、数年は現状を保てるほどの内部留保を備えています。

売上や利益などの無機質な数字から離れ、目の前にある有機的な関係性に目を向ければ、人や会社のなかに成長の種はたくさんあります。その種を育てていくことが、長期的に安定した経営を支える力となります。

最近では、SDGs(持続可能な開発のための目標)が共通語となっています。

でも塚越寛さんにとってSDGsの思考は、ずっと以前からの必然でした。何十億年、もしくはそれ以上続く自然のあり方に学ぶ経営こそ、SDGsの本質となる持続可能性があるからです。

文屋が2004年に発刊した『いい会社をつくりましょう』(塚越寛著)の一節に、塚越さんが考える「自然体経営」とは何かが記されています。

「人間は、太陽を中心とした自然の摂理のなかの一つです。大いなる宇宙の律動のなかに息をする存在です。経営のあり方も、自然界から学ぶことがたくさんあります。」

このセミナーのナビゲーターのひとり、「人とホスピタリティ研究所」の高野登さんは、こう語ります。

自然体経営ができるのは、柔らかい発想力、構想力という経営者の資質にかかっています。情報をみずから取りに行くレーダーと、入ってきたものを受け取るアンテナという、両方の感性を機能させることが必要です。」(高野登さん)

塚越寛さんは、文屋より発売中の絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』を推薦してくださっています。

国歌『君が代』の起源は平安時代、ある人物がただひとり愛する相手に送った和歌のラブレターでした。この歌を永く歌い継ぐ日本人の、和を尊び、命を慈しむ心が描かれる絵本のストーリーは、私たちの心の奥の感性を掘り起こします。

「かんてんぱぱ」伊那食品工業の塚越寛さんに学び、絵本『ちよにやちよに』で感性を磨いて、持続可能な「成長」の種を見つけ出してみてください。

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2022年3月3日

永続企業の原点は、よき「循環」を起こすこと――オンライン通信講座「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」⑩

3月に入りました。木々が芽吹き、生き物たちが新たな命を授かる春は、冬に蓄えられたエネルギーが一気に解放される季節です。

「春の養生」という言葉をご存知でしょうか。この時期は、冬の寒さで滞っていた「気」や「血」をスムーズに流せるよう、意識しながら過ごすことが大切です。

心身を滞りなく循環させることは、健康を長く維持することにつながります。

人は古来、自然から多くのことを学んできました。経営においてもこの視点を最重要と考え、企業の永続を目指す経営者がいます。

文屋で配信中のオンラインセミナーでは、「かんてんぱぱ」で知られる伊那食品工業の最高顧問、塚越寛さんが唱える「年輪経営」を学ぶことができます。

樹木の年輪にならい、小さな成長を維持する「年輪経営」によって、伊那食品工業は着実に成長を続けています。

塚越寛さんは、社会の大きな変動にもかかわらず、これまで会社の成長を導いてきました。その考え方はときに、常識とかけ離れているようにも見えます。

たとえば、人件費は一般的に少なくしようとします。でも塚越さんはむしろ、「人件費は多くなったほうがいい」と言います。人件費を会社の利益という狭い視野ではなく、社会の利益という広い視野でとらえているからです。

冒頭で、こうお話ししました。新たなエネルギーが解放されるためには、体内に「気」「血」がじゅうぶん巡らなければならない――これは経済社会でも同じです。

塚越寛さんはインタビューで『景気がいい』というのは、お金がぐるぐる回ること。絶対額の大小ではなく、お金が循環するかどうかと語っています。人件費は、受け取る人々を幸せにするもの。そして人々がお金を使い、世の中にお金が循環していけば、その幸せは社会全体に広がっていきます。

そう考えれば、経営者は単純に人件費を減らすという発想はできなくなります。どうしたらお金が世の中に回るのか、そのために自社は一体何ができるのか。知恵をしぼって経営する、という使命を実感するでしょう。

このセミナーでは、「人とホスピタリティ研究所」の高野登さんが、塚越寛さんのインタビュー映像から「年輪経営」を読み解きます。

人件費を増やすということは、人に対する敬意、社員に対する尊敬を意味します。社員全員が同じ目線で、同じテーブルについて話ができれば、悪循環ではなく「善の循環」が起きるはず。働いている人たちの命が輝くような場面をつくることが、経営者の役割です。(高野登さん)

単純にお金、利益を増やすだけではありません。会社のなかでこうした「善の循環」を起こすことが、結果として経営を支えることになります。

高野さんは、会社だけでなく経済社会においても、お金の循環は互いの信頼関係に基づくべきと語ります。お金の流れが血流であれば、信用や信頼はリンパ腺のようなもの。両方がスムーズに流れてこそ、経済社会は健全に発展するということです。

企業の成長と永続は、社会が発展し続けなければ成しえないことです。

文屋は昨年7月、絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』を出版しました。

大自然のありように学び、すべての人やものごとを利他の愛であたたかく包み込む。『君が代』とこの絵本には、人生と経営の真髄が描かれています。社員の幸福を実現させながら、末広がりに永続する『苔むす会社』をつくっていきましょう。本書を働くすべての人たちに推薦いたします。」(塚越寛さん)

昨年末、塚越さん絵本の著者である白駒妃登美(しらこまひとみ)さんと対面し、絵本に強く共感して、この推薦文を寄せてくださいました。

絵本『ちよにやちよに』で描かれる『君が代』は、天皇の御代を称える歌ではなく、この世のすべての人々の幸せを願う語りです。

塚越寛さんの「年輪経営」と絵本『ちよにやちよに』をとおして、永続企業の原点にあるよき「循環」について、ご一緒に考えてみませんか。

来週3月10日(木)午後、長野県伊那市にある伊那食品工業の本社セミナー室にて、絵本『ちよにやちよに』出版記念ビジネスセミナーが開催されます。(オンライン同時開催)

敷地内には自然の景観を楽しめる広大な庭園「かんてんぱぱガーデン」があります。

今回、白駒妃登美さんの講演の後、白駒さん、塚越寛さん、塚越英弘さん(伊那食品工業社長)の対話会を、オンラインセミナーと同じく高野登さんがファシリテートします。

https://www.e-denen.net/cms_bunyaza_30.php

 

早春の「かんてんぱぱガーデン」で心身によき「循環」を起こし、ともに永続企業の原点を探究しましょう。

【末広がりの年輪経営プロジェクト】
ビジネス・オンラインスクール「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」

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