過去メルマガ

2015年12月14日

vol.028 渡辺雅文著『根っこづくりの経営』をよりどころに。その1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (きょうのテーマ) 渡辺雅文著 『根っこづくりの経営』をよりどころに その1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ********************** ★その判断は、「ちょっと背伸び」か、 「無理な身の丈越え」か?★ ********************** 文屋は今年9月、 世界的な講演家 プレム・ラワットさんの ご著書『Pot with the Hole 穴のあいた桶』を 出版いたしました。 12月にはその英語版を出版して、 世界に向けた販売を始めました。 ラワットさんは、 生まれてはじめてのご著書の出版を、 日本の信州小布施の「一人出版社」に 委ねてくださいました。 「小さな出版社に、 世界に通用する本をつくれるのか?」 「広報、営業力はあるのか?」・・・ きっと相当のリスクを承知のうえでの、 ご了解であったと思います。 ラワットさんにとって、 リスキーであったこの出版事業は、 同時に、文屋にとっても、 決してリスクの小さな決断では ありませんでした。 とくに、 制作から広報、営業のための 費用の負担は、大きな課題でした。 出版契約の前から、 制作の工程、 そして広報販売の段階に入った今でも、 「リスク」を感じ、 「危機感」を抱きつづけております。 この判断は、 「ちょっと背伸び」なのか? それとも、 「無理な身の丈越え」なのか? ちょっと背伸びならば、 努力と幸運により成功し、 結果として一歩、 成長することができます。 無理な身の丈越えの場合、 失敗して命とりになることも あります。 ********************** ★迷った時のバイブル『根っこづくりの経営』★ ********************** 判断に迷った時は、 人に相談したり、 本を読んだり、 自身に問うたりします。 わたしがいちばん、 よりどころにする一冊は、 渡辺雅文著『根っこづくりの経営』 (文屋)です。 表紙の帯には、 「中小零細企業経営のバイブル」 「福島から日本へ 3.11後の福島県で、 倒産・廃業ゼロ!」 「なおも元気な経営者たちは、 彼から何を学んでいるのか?」 と記されています。 ラワットさんのプロジェクトに 取り組むかどうか、迷っていたとき、 本書をめくっていて、 次の項目に目がとまりました。 第3章 いい会社づくりへの挑戦 【実践編】にある 「深めれば広がる」という一節です。 「私は、中小零細企業の皆さんには、 競合が少なく、 もっとも得意なジャンルに注力して、 その商いを深めること、 『深耕する』ことに 集中することをすすめています。 一点に集中するのです。」 「そうすることで、 社外から見たとき、 その会社の存在価値がはっきりします。 また社内でもその一点においては、 どこにも負けないという気概を持って 仕事に集中でき、 経営資源が分散することもありません。」 「そうして商いを深め、極めると、 いずれ外から商いの範囲を広げることを 求められる時がきます。 こうなって初めて、 深耕していたジャンルとシナジー (つながり、関連性)のある範囲で、 商いの範囲を広げてみてください。 これが、「深めると広がる」の原理です。」 「大切なのは、 深め続けた結果、自然に広がる時がくる、 というこの順番です。 最初から、 あれこれ手を広げてもうまくいきません。」 渡辺先生 (著者と版元である前に、経営の師匠として 「先生」と呼んでいます)の この文書を読んで、 わたしは、 ラワットさんプロジェクトを 始めることを決断しました。 ********************** ★「ちょっと背伸び」にするために★ ********************** ラワットさんのプロジェクトを始めるにあたり、 とくに、英語版の制作と世界への販売について、 悩みつづけました。 「広げる」のではなく、 「深める」。 そして、 「無理な身の丈越え」にならないように、 「ちょっと背伸び」にとどめる。 至った結論は、以下の通りです。 1 日本語版のサイトの英語版をつくる。 2 広報は、 世界中のラワットさんのファン向けに メール配信で行う。宣伝広告費は使わない。 3 国内販売と同様に、 「直売中心」で販売する。 4 クレジットカードによる先払いで 回収リスクをゼロにする。 5  発送は、国内発送と同様に、 原則として地元の郵便局から 行う仕組みをつくる。 6 ラワットさんのほかの商品 (DVDや絵本など)、 そしてほかのご著者の書籍などにも 応用できる仕組みにする。 信州小布施の仕事場に居ながらにして、 世界市場に供給して、 直売中心、前払い制にして、 国内販売と変わらない仕組みを 構築する。 こうして、「ちょっと背伸び」を越えて 「かなりの背伸び」ではあるが、 「無理な身の丈越え」ではない、 という状況をつくることができました。 あわせて、卸部門として、 北米、アジア、オセアニアなど、 20数カ所の海外店舗をもつ 紀伊國屋書店さんで のお取り扱いも、 一部で始まっております。 https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/foreign.html また、年内には、Amazonジャパン、 年明けにはAmazon.com (米国本社)とのお取り引きも 始まります。 『根っこづくりの経営』のご著者 渡辺雅文先生の教えを請う 人や組織が、 次第に、増えています。 あすは、6月19日に福島市で開いた、 『根っこづくりの経営』の 出版を祝う文屋座の 記録DVDについて、 ご紹介いたします。 渡辺雅文先生と 鍵山秀三郎先生をお迎えして 「経営・仕事」について ご講演をいただき、 そのあと、 わたしが司会をして お二人に質問をした、 3時間20分に及ぶ濃密な内容です。 DVD:https://mail.google.com/mail/u/0/#all/1519b01c9c59b3f2 渡辺雅文先生の提案で 福島市に生まれた、 「経営者と社員が共に学ぶ勉強会」 信夫心燈塾(しのぶしんとうじゅく) 主催のセミナー 「日本一幸せな従業員をつくる!」: http://shinobushintojuku.com/news/20151203.html ***************************         ★きょうの気づき★ 1.「ちょっと背伸び」は、「広げる」のではなく、   「深め」て、「結果」「広がる」発想で。 2.この一点に経営資源を集中させ、   「どこにも負けない」という気概を持って、   深めていきたい。 ***************************

文屋だより 登録はこちら
PAGE TOP