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2016年01月05日

vol.048 「志」と「野心」 田坂広志さんからの学び

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (きょうのテーマ)  「志」と「野心」 田坂広志さんからの学び   塚越 寛 著 『新訂 いい会社をつくりましょう』   大久保 寛司 監修 『映像本 いい会社をつくりましょう』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ **********************   ★「志」と「野心」 田坂広志さんからの学び★ ********************** 「志」 辞書を引くと ある方向を目ざす気持ち。 心に思い決めた目的や目標」と 説明されています。(goo辞書) 「志」と似て非なる言葉として、 「野心」が対置されます。 そして、 「志」と称して、 「野心」を語るなかれ、 と戒めのメッセージが語られます。 きのうの「文屋だより」で、 多摩大学大学院 教授 シンクタンク・ソフィアバンク 代表 田坂広志さんの文章を、 ご紹介しました。 ***田坂さんの文章*** 「理想」や「使命感」に支えられた 「大志」や「大望」 「功名心」や「権力欲」に支えられた 「野心」や「野望」 ************** お二人の読者樣から、 「田坂広志さんは、 どんな方ですか?」 「この文章の全文を、 読みたいのですが・・・」 とのお便りをいただきました。 お問い合わせをいただき、 ありがとうございます。 田坂広志(たさか・ひろし)さんの 公式サイトから、 プロフィールのページを ご紹介します。 http://hiroshitasaka.jp/profile/ 田坂さんの文章が掲載されている サイトのページをご紹介いたします。 http://hiroshitasaka.jp/letter/6659/ *** 「志」と「野心」 *** 学生時代、北海道大学を訪れたとき、 多くの人々が知る銅像を見ました。 大学の前身、札幌農学校の創設者であり、 マサチューセッツ農科大学の学長 でもあった、 ウィリアム・スミス・クラーク博士の 銅像です。 その像の下には、 クラーク博士の残した有名な言葉が 英語で書かれていました。 Boys, be ambitious! 「青年よ、大志を抱け」と訳され 人々に語り継がれてきた この言葉を見たとき、 その翻訳の巧みさに感心しながらも、 この言葉の持つ「危うさ」を 感じました。 なぜなら、 この「ambitious」という言葉には、 正反対の二つの意味があるからです。 「理想」や「使命感」に支えられた 「大志」や「大望」 「功名心」や「権力欲」に支えられた 「野心」や「野望」 不遇の晩年を送ったクラーク博士ですが、 もとより、 その本意は前者にありました。 しかし、いま、世の中を見渡すとき、 この言葉の持つ「危うさ」が 現実となっていることに、 気がつきます。 「志」と称して、「野心」を語る。 その錯誤が、 いま、世に溢れていることに 気がつくのです。 ***転載、以上。改行、木下*** 田坂さんは、 「志」と「野心」について、 次のように、定義されています。 ************ いま、世の中には、残念ながら、 「志」と「野心」を混同する人々がいます。 「野心」とは、 己一代で何かを成し遂げようとする 「願望」のこと。 「志」とは、 己一代では成し遂げ得ぬほどの 素晴らしき何かを、 次の世代に託する「祈り」のこと。 それゆえ、我々が、 真に「志」を抱くためには、 深い、死生観、世界観、歴史観、 人間観、人生観を 身につけることが求められます。 では、我々が身につけるべき 死生観、世界観、歴史観、 人間観、人生観とは、何か。 *********** 田坂さんは、問いかけます。 志は、次の世代に託する「祈り」。 自分のエゴの動きが見えているか? 「その志は、野心ではないのか?」と 自身に問う、 もう一人の自分を持っているか? 自分が見えているか? あなたは、 生涯をかけて登ってみたい山はあるのか? ************ 「野心」と「志」について、 田坂さんが語られている 音声のURLをご紹介します。 お聴きください。 https://www.youtube.com/watch?v=eGWt7cr6TEE&feature=youtu.be 「なぜ、我々は、『志』を抱いて生きるのか?」 https://www.youtube.com/watch?v=4-LVzArBkKw&feature=youtu.be 田坂さんの「風のたより」を 受信されたい方は、 以下のページからどうぞ。 http://hiroshitasaka.jp/letter/#regist **********************    ★田坂広志さんに学んだ半年間★ ********************** わたしは、 知人のご紹介で 田坂広志さんのご著書を読み、 田坂さんの講演会に、 数回、 参加させていただきました。 広いご経験と、 深い思索に裏打ちされた、 魂と魂が正対するようなお話に 感銘を受けました。 「もっと、直接、学びたい」 そう願ったわたしは、 別の知人を頼って、 田坂さんが教えていらっしゃる 多摩大学大学院を ご紹介いただきました。 2年間の大学院のコースを 修了するために、 平日、 信州から東京に通いつづけることは できません。 そこで、ご無理なお願いをして、 田坂さんの大学院の授業の 聴講生として、 2014年に半年間、 毎週1回、 15回の授業を学ばせていただきました。 http://tgs.tama.ac.jp/faculty/tasaka-hiroshi 毎回の聴講への感想文を 「所感」として書くことが、 宿題でした。 15回の中で、 わたしのその後に、 特に影響をもたらしている 授業があります。 その授業の所感 テーマは、 「劣等感に決着をつける」でした。 劣等感を持っていない人は、 いるのでしょうか? わたしにも、 劣等感がたくさんあります。 では、 劣等感に決着をつけ、 正しい自信を持つには? みなさんは、 このテーマについて、 どのようにお考えになりますか? わたしが宿題で書いた文章は、 いずれ、この「文屋だより」にて、 ご紹介いたします。 あまりにも高く、遠い、 理想に向かって、一歩ずつ。 **********************    ★きょうの気づき★ ◆ 「野心」は、私的であり、 「自分がこの世で成り上がりたい」気持ち。 「野心」とは、 己一代で何かを成し遂げようとする「願望」のこと。 「志」は、公的であり、 「自分がこの世と後の世のために、 力を尽くしたい」気持ち。 「志」とは、 己一代では成し遂げ得ぬほどの素晴らしき何かを、 次の世代に託する「祈り」のこと。 その「欲」は「夢」は「目標」は、 野心か、志か? ********************** ********************** ◆『映像本 いい会社をつくりましょう』 文屋サイト:http://www.e-denen.net/index.php/books?_id=11 Amazon:http://goo.gl/CSoLIY ◆『幸福への原点回帰』 文屋サイト: http://www.e-denen.net/index.php/books?_id=18 Amazon:http://goo.gl/FhHmLY ◆『新訂 いい会社をつくりましょう』 文屋サイト: http://www.e-denen.net/index.php/books?_id=10 Amazon:http://goo.gl/aMgUIu いつもの書店さんでもご予約いただけます。 いつもの図書館に「購入リクエスト」も。 (無料で読めて、みんなも読めます) ◆『根っこづくりの経営』DVD: http://www.e-denen.net/index.php/dvd?_id=28 (文屋からの直売のみです) **********************

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